2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a regional financial model that meets regional expectations-Disaster Resilience, Population Decline, and FinTech
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19H01505
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
家森 信善 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (80220515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 光 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (10313967)
永田 邦和 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 教授 (00323915)
播磨谷 浩三 立命館大学, 経営学部, 教授 (90347732)
藤原 賢哉 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30229067)
濱口 伸明 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70379460)
栗原 裕 愛知大学, 経済学部, 教授 (50249330)
奥田 真之 愛知産業大学, 経営学部, 教授(移行) (10791353)
近藤 万峰 愛知学院大学, 経済学部, 教授 (20362262)
北野 重人 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (00362260)
柳原 光芳 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (80298504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自然災害 / 地方創生 / 人口減少 / 創業支援 / 経営統合 / フィンテック / 地域金融 / 地域金融機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域金融機関には、伝統的な決済サービスや資金の提供者としてだけではなく、地方創生の担い手としての役割が強く期待されているが、それに相応しい組織形態や規制の在り方についての研究は発展途上にある。そこで、本プロジェクトでは、リレーションシップバンキング研究をベースにして、①頻発する自然災害への対応、②人口減少への対応(創業支援と経営統合など)、③フィンテックの活用、といった3つの論点を切り口にして、新しい銀行モデルのあるべき姿、それを実現するための経営・組織上の課題、および、そうした新しい銀行モデルにおける銀行行政の課題について分析を進め、地域社会の期待に応えられるような新しい地域金融システムの構築を目指している。 具体的には、2019年度においては、①に関して、BCPの取り組みを促す上での金融機関の役割の現状と課題の分析や自然災害に対する中小企業の備えと地域金融機関による支援についての調査などを実施した。また、②については、創業支援のため信用保証と地域金融機関の役割について分析を行ったり、関東地方における地域銀行の店舗展開と経営パフォーマンスについての研究を進めた。③については、中国におけるP2P貸出市場の現状に関しての現地調査も踏まえた分析を行った。そのほか、それぞれのメンバーが研究を進めて、別に示したような研究成果を発表している。 また、2019年12月17日から23日に、全国の20歳~49歳の銀行等の金融機関職員1000人に対するweb調査を実施した。この調査では、メンバーで意見交換しながら作成した調査票を使って、企業支援の取り組み姿勢や事業性評価の能力の状況についての質問を行っており、2020年度に分析結果を公表し、次の調査研究の基礎にする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つのサブプロジェクトについてそれぞれに着実に、予定通りの成果をあげることができている。また、2年目に実施予定の調査の予備調査を実施する計画であったが、2019年12月に予定通りに実施することができた。さらに、Springer社から、著書Roles of Financial Institutions and Credit Guarantees in Regional Revitalization in Japan、および中央経済社から『信用保証制度を活用した創業支援―信用保証協会の役割と金融機関連携―』といった著書も公刊できた。以上より、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では2020年度には、メンバーで調査票の内容を議論して、金融機関向けに郵送ベースでのアンケートを実施する予定であった。しかしながら、コロナ肺炎の深刻な影響が長引くことが予想され、調査の実施が難しくなっている。8月頃までの状況を見極めて、この状況の下での効果的な調査方法を検討して実施したいと考えている。 また、そもそもサブプロジェクトとして自然災害への中小企業の耐性を高めるための金融機関の支援というのが大きなテーマであった。自然災害としては地震や噴火、豪雨などを念頭に置いていたが、感染症の流行ももちろん「(自然)災害」の一つであり、事業継続計画(BCP)においてカバーされるべきものである。また、中国では、ITを活用してコロナ対策を行っていることが報道されているし、2003年のSARSの流行をきっかけにアリババが急成長したことも知られている。ポストコロナの世界においてフィンテックを基盤に金融のあり方が大きく変わる可能性が高い。このように、今後はポストコロナの世界での金融システムのあり方という観点も含めて研究を進めることで、社会的に意義の高い成果を得たいと考えている。 なお、実際にメンバーが集まって行う研究会や打ち合わせは難しいが、オンライン会議システムを活用して分担者との連絡を取ることで通常時と同様の研究体制を維持していくつもりである。
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Research Products
(20 results)