2019 Fiscal Year Annual Research Report
Entrepreneurship Education producing academic spinoffs- Development in Nordic countries and Attempt in Japan
Project/Area Number |
19H01530
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田路 則子 法政大学, 経営学部, 教授 (00322587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿住 倫世 専修大学, 商学部, 教授 (00349193)
五十嵐 伸吾 九州大学, 学術研究・産学官連携本部, 准教授 (00403915)
福嶋 路 東北大学, 経済学研究科, 教授 (70292191)
牧野 恵美 広島大学, 産学・地域連携センター, 准教授 (90706962)
浅川 希洋志 法政大学, 国際文化学部, 教授 (10299349)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 起業家教育 / 起業意思 / 起業態度 / アカデミックスピンオフ |
Outline of Annual Research Achievements |
大学生対象の起業意識調査の国際調査GUESSSには、当チームが日本の幹事役として参画してきた。GUESSSは世界50ケ国が参加する国際的な質問票調査であり、スイスのサンガレン大学が本部である。2018年の日本の参加校は50校弱で、文科省のEDGEプログラム参加校も対象とし、4000サンプルを集め、教育効果をあらゆる観点から分析する予定である。 起業意思については、日本のサンプルは、卒業直後の起業予定はほとんどなく、1.6%(世界は9.0%)、5年後の起業予定は増えて、12.0%(世界は34.7%)。ただし、5年後の起業の前に、大企業で働きたいとする割合は45.4%(世界は29.3%)であった。日本レポートをホームページで、日英の両方で公開した。 週末集中型のワークショップStartup Weekendの参加者に質問票調査を実施したところ、起業効力感と起業意思が高まることが確認できた。さらに、リアルタイムに心理状態を追うESM法の導入をし、質問紙では得られない、出来事にマッチングしたリアルタイムの心理的データが収集した。イベント終了後の心理状態も追い、起業意思の減衰を測定した。本結果は、2020年のBabson Conferenceで口頭発表を行う予定である。 アカデミックスピンオフの調査は、スウェーデンの大学からのライフサイエンスの成長の軌跡を追いかけている。ヘルニアの痛み軽減、腎臓がん予測、インプラント材料の三社である。技術シーズを提供した大学教員や大学院生、インキュベータ、大学病院の役割と関係について、情報を集めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度については、実査を2回行い、パイロットスタディとして十分な分析ができた。しかし、2020年度のStartup Weekendの実査はコロナウィルスの影響で遅れている。さらなるデータの取得と分析が半年以上遅延するだろう。海外出張は9月を予定しているが、スウェーデンの大学からのライフサイエンスの成長の軌跡を追うことに影響がでるかもしれない。
|
Strategy for Future Research Activity |
起業意識調査の国際調査GUESSSは、都会と地方の比較、学問分野間の比較、ファミリービジネスが与える影響につて、さらなる分析を行う。国際学会発表を予定している。 Startup Weekendの参加者に、質問票調査によって、起業に関する効力感(entrepreneurial self-efficacy) と起業態度(entrepreneurial attitude)と起業意思(entrepreneurial intention)を、ESMによって心理状態を測定した。心理状態としての指標であるフロー体験の程度を、自己のスキルへの自信、経験の強度、活動の難易度の合成変数として設定した。参加前と参加後と一月後に、効力感、起業態度、起業意思を測った。フロー体験の程度は、事前の効力感と事前の起業意思とは相関がないものの、事後のそれらとは相関があった。ところが、一ヶ月後は相関がなかった。つまり、フロー体験が高いほど、効力感と起業意思は高くなるが、一月経つと減衰してしまう。それにくらべると、フロー体験の程度と起業態度は、事前事後一月後すべてにおいて相関している。そもそも、事前の起業態度が高い被験者ほど、参加によってフロー体験が強くなり、それは終了後も維持されることがわかる。今後は、Startup Weekendの被験者にインタビューを行って、パネル分析を行い、効力感、起業態度、起業意思等の変数の関係について考察したい。なお、今年度は、健康記録機器のFitbitを使って、歩数や脈拍も測定し、身体状態も分析に加えたい。 スウェーデンの調査は成長プロセスを追いつつ、技術シーズが創業者自身によるものか、創業者ではない技術提供者によるものかに分類して、意思決定に及ぼす影響について考察を深めたい。
|
Research Products
(6 results)