2020 Fiscal Year Annual Research Report
Entrepreneurship Education producing academic spinoffs- Development in Nordic countries and Attempt in Japan
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19H01530
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田路 則子 法政大学, 経営学部, 教授 (00322587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿住 倫世 専修大学, 商学部, 教授 (00349193)
浅川 希洋志 法政大学, 国際文化学部, 教授 (10299349)
福嶋 路 東北大学, 経済学研究科, 教授 (70292191)
牧野 恵美 広島大学, 学術・社会連携室, 准教授 (90706962)
林 永周 立命館大学, 経営学部, 准教授 (10774416)
山田 裕美 九州大学, ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター, 講師 (40741559)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 起業家教育 / 起業意思 / 自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年9月掲載のベンチャー学会論文「フロー経験と起業マインド」概要は次のとおりである。3日間の集中プログラムであるSWイベントを対象に、参加者の参加前後の起業に対する態度、自己効力感、起業意思の変化を測定する。参加中のフロー経験を経験サンプリング法により測定し、上記の起業に関する3つの指標に影響を与えるかどうかを検証する。3日間のプログラムは起業マインドに正の効果をもたらすだろうか。 RQは次のとおりである。 1.フロー理論は、活動の挑戦のレベルとそれをするための自分のスキルのレベルが高次で釣り合う状況で、良質な経験ができると想定している。この条件は3日間の起業家教育プログラムでも適用できるのであろうか。 2.参加者のプログラム参加時のフロー経験の強度が高ければ、プログラムの学習の効果を高め、満足度を高めることができるのであろうか。さらに、プログラム参加中のフロー体験の強度が高いと、起業に対する態度、自己効力感、起業意思を高めることができるだろうか。 RQ1に関しては、フロー理論の研究で検証されてきたとおり、高いレベルの挑戦と能力で規定されるフロー状態において、最も良質な経験ができることが、3日間の起業家教育プログラムにおいても確認できた。挑戦と能力が高次で釣り合うように、チーム構成や役割分担をコントロールすることで学びが深くなるであろう。 RQ2については、フロー経験の強度が高い参加者は、プログラム学習の効果や満足感を1ヶ月後も高いレベルで維持しているのに対し、自己効力感と起業意思に関しては、終了時には高まるものの、1ヶ月後には減衰してしまう。これは、学習の効果や満足感は直感的な感想やプログラムへの評価であるのに対して、自己効力感と起業意思は、自己評価や振り返りによる洞察を行うプロセスであるため変化するのであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果発表は、日本語の査読付き研究論文が掲載された。また、コロナ禍であったが、オンラインの教育プログラムを実施して、データを取ることができた。しかしながら、予定していた海外の学会発表に渡航困難で参加することができなくなる問題が発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の学会発表は新たな投稿を行って発表する予定である。2021年に取得した生体データとフロー経験の関係を明らかにし、去年発表するつもりであった内容から進捗あるものにしたい。海外の学会は3E Conferenceを予定しているが、コロナの影響で参加が難しい場合はオンライン実施の学会を探す予定である。もしも見つからなかった場合には、国内の学会である組織学会やベンチャー学会での発表を行いたい。なお、生体データを使った新たな分析結果をスウェーデンのチャルマース工科大学の研究者に持ち込み、スウェーデンと日本の比較調査を提案する予定にしている。
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Research Products
(3 results)