2020 Fiscal Year Annual Research Report
Historical Research on Cross-curriculum Learning based on Enhancement and Utilization of the Database of Drawing Textbooks in the Meiji Period
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19H01677
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤木 里香子 岡山大学, 教育学域, 教授 (40211693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 一夫 茨城大学, 教育学部, 名誉教授 (70114014)
角田 拓朗 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (80435825)
山口 健二 岡山大学, 教育学域, 教授 (90273424)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 美術教育史 / 図画科 / 手工科 / 教科書データベース / 臨画 / 鉛筆画 / 毛筆画 / 教科横断的学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は3か年の研究期間の中間にあたるが、諸事情により研究実施計画の進捗状況に遅れが出た。その一方で、研究分担者の角田が中心となってデータ整備を継続することができ、撮影済みの約1万点の画像について、新規データとしてシステムに投入する準備を着実に進めることができた点は大きな成果と言えよう。また、データベースの充実以外にも、調査研究に関連する活動をいくつか行うことができた。 令和2年4月には、角田が所属する神奈川県立歴史博物館で開催予定の展覧会において図画手工教科書の展示を通じた研究成果公開を計画していたが、コロナ禍により開催中止となり、その機会は失われた。しかし、同館が「#おうちでかながわけんぱく」の名称で複数プログラムを設けてオンラインで発信する企画を決定したことを受け、角田が本研究の成果の一般発信として、主に中高生を対象に、図画教科書の階梯をおおよそふまえて絵の描き方を学ぶというwebコンテンツを同館企画普及課との共同制作で開発・公開し、twitterでも配信を行った。 また、令和2年9月5日から11月29日にかけて、岡山県の高梁市成羽美術館において開催された児島虎次郎没後90年記念「白馬のゆくえ―近代日本洋画の黎明」展では、岡山大学および研究代表者赤木が所蔵する、白馬会関連の画家たちが著した図画教科書や国定図画教科書21点を展示した。10月25日には記念講演会として赤木が「洋画家たちの学びと歩み―美術教育との関わりを中心に」と題する講演を行い、國光社編纂・小林萬吾画『小學習画帖』全8巻(國光社、1899年)に見られる教科横断的内容について指摘した。 年度末の令和3年3月27・28日にオンラインで開催された第43回美術科教育学会愛媛大会においては中間発表を行い、データベースのシステム改善の方向性について報告し、美術教育史研究に活用できる事例を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
(1)コロナ禍により、令和2年4月に予定していた神奈川県立歴史博物館での展覧会が中止となり、図画手工教科書を展示公開する機会が失われた。また令和2年8月に予定していた、キーワード入力について雇用予定の学生を集中的に指導しデータ入力を実施する計画が不可能となり、作業進展がかなり遅くなった。加えて、本年度に予定していた、研究メンバー所属機関以外の教科書コレクションの調査とデータベースへの組み込みが不可能となった。また、海外の研究者を招いての国際学術交流については実施を断念した。 (2)令和2年10月までにデータベースの充実に向けたデータの追加作業を行い、令和3年3月までにデータベースのシステム改善についての検討、研究成果のとりまとめを行う予定であったが、令和2年11月より研究代表者の不測の病気により、データベースのシステム改善についての検討が困難となった。令和3年6月には回復する見込みであり、研究の一部は研究分担者の協力を得て継続した。ただし、データベースのシステム改善は延期して実施することとなった。 (3)こうしたなかでも、研究分担者角田を中心にデータ整備を継続することができ、撮影済みの約1万点の画像について、新規データとしてシステムに投入する準備が着実に進められた。 (4)2021(令和3)年3月27・28日に開催された第43回美術科教育学会愛媛大会において、中間発表(オンデマンド配信による動画発表)を行い、データベースのシステム改善に関する方向性を示すことができた。
以上のような観点から、進捗状況は「遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もしばらくコロナ禍が継続すると考えられることから、研究メンバー所属機関以外の教科書コレクションの調査とデータベースへの組み込みについては、本研究期間中に完了することを急がず、既に撮影済みの画像データ約1万点を確実に新規データとしてシステムに投入することと、サンプル版データベースのシステムを改善し、恒常的に公開することを令和3年度内に実現するという、ふたつの具体的な目標を掲げて研究を継続する。 データベースを活用し、明治期図画手工教科書と教科横断的学習の関連を検証し得るには、やや情報の集積が不十分となることは否めない。しかし、コロナ禍においてオンライン上のコンテンツやデータベースの重要性がさらに増大する状況下では、研究成果としてデータベースのリリースを果たすことを第一に優先したい。その際、サンプル版データベースにみられた検索性および一覧性の問題点を改善することを、最重要課題として取り組む。 令和3年夏までに、IIIFを導入した改良版システムに新規データを投入し一定の動作確認を行ったのち、さらに改善点を洗い出してバージョンアップを試みる。恒常的公開のタイミングとしては、9月を目指して作業を進める。9月以降、研究成果の発表を、明治美術学会と年度末の美術科教育学会において行う予定である。
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Remarks |
「近代日本図画手工教科書データベース」は、バージョンアップに伴い接続できない場合があります。
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Research Products
(5 results)