2019 Fiscal Year Annual Research Report
学生プロジェクトの国際比較によるイノベーション教育のための教育課程と教授法開発
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19H01687
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉永 契一郎 金沢大学, 高等教育開発・支援系, 教授 (70313492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育推進機構, 教授 (00157025)
鈴木 久男 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20192619)
斉藤 準 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (90757668)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イノベーション / アクティブ・ラーニング / デザイン思考 / スタンフォード大学 / ファシリテーション / コーチング / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の実績は、研究メンバー4名で、1月10日~14日、イノベーション教育で著名なスタンフォード大学d.schoolで開催されたデザイン思考教員ワークショップに参加したことである。ここでは、世界中から集まった48名の参加者が、5名の講師、6名のコーチから、5日間、研修を受けた。研修では、4名からなるグループが、快適な空港、生涯学習、レストランの行列というトピックについて取り組んだ。身につけたスキルは、アイス・ブレイク、ブレイン・ストーミング、発想法、レクリエーション、コンセプト・マッピング、プレゼンテーション、コーチング、プロトタイピング、インタビュー、コンサルテーションである。これらのスキルは、そのまま、アクティブ・ラーニングに活用できる。課題となるトピックは、いずれも日常的なものであり、議論も調査やデータに基づくものではない。しかしながら、素人が、即興でアイデアを出し、共同で改善していく過程には独自の価値や展開があり、デザイン思考で重視される社会的なニーズや消費者心理の多様性、目的から発想する技術や組織の重要性について学ぶことができた。この研修では、参加者の多様な背景を尊重すること、リラックスした雰囲気作り、どのような意見にも肯定から始めることなど、大学教育に対して、大きな示唆を得ることができた。この研修で生まれたネットワークを活用して、今後もイノベーション教育に取り組む計画である。特に、スタンフォード大学で同時に研修を受講した早稲田大学/神奈川県立保健福祉大学の島岡未来子教授は、コーチングの専門家であり、今後の共同研究が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イノベーション教育については、11月10日、香港で開催されたIAFORの大会で発表し、11月にスマトラ工科大学、インドネシア教育大学、バンドン工科大学において、講演を行った。スタンフォードにおける研修については、2月3日、金沢大学国際基幹教育院FDにおいて発表した。また、3月16日発行の高等教育開発・支援部門ニュースレターに寄稿した。また、2020年6月7日の大学教育学会(オンライン開催)において、「デザイン思考の手法と実践」というラウンドテーブルを開催する予定である。 イノベーション教育の実践については、金沢大学教員4名、金沢美術工芸大学教員1名と協力し、2019年度金沢大学共通教育において、「イノベーション教育」をシリーズで、3科目開講した。そこでは、グループ活動やリフレクション、工作、プログラミングを取り上げ、通常の講義とは異なるアクティブ・ラーニングの機会を学生に与えて、好評を得た。 3月には、シンガポール・デザイン工科大学へ視察を行う予定であったが、新型肺炎の影響により中止となった。また、金沢で開催する予定であった島岡未来子教授の講演会も中止となった。研修・発表・実践において、順調な進捗状況にあると言える。今後は、研究成果の公表等論文の作成に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、デンマークのオーフス大学、オランダのデルフト工科大学、シンガポール・デザイン工科大学において、イノベーション教育調査を行う予定である。特に、現在、オンライン教育が喫緊の課題となっており、イノベーション教育との関連を探る。それらの成果を活用して、金沢大学共通科目における実践、大学教育学会における発表も行う。イノベーション教育におけるアクティブ・ラーニングに関しては、金沢大学、大学コンソーシアム石川において、FDを計画している。さらに、これまでの成果を論文として投稿する。
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Research Products
(11 results)