2020 Fiscal Year Annual Research Report
Fluctuation of the orbital/charge degree of freedom and novel physical properties in strongly correlated electron systems
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19H01853
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 哲治 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20347082)
溝川 貴司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90251397)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軌道自由度 / 揺らぎ / 一軸歪 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) La5Mo4O16において70K以下で数十nm程度のサイズのドメインを持つ強磁性状態になること、そうしたドメインが0.3T程度の弱い磁場で消失することを明らかにした。さらにこのような振舞が、不揮発な正の磁気抵抗と相関していることを明らかにした。これらの結果は、強磁性のドメイン壁に電気伝導が起こっていることを示唆している。さらに理論家との共同研究により、Moの軌道整列が強磁性状態を誘起すること、また強磁性ドメイン壁でモットギャップが閉じていて電気伝導が可能であることを明らかにした。 (2) BaV10O15は120K以下でV三量体形成を伴う軌道整列を起こす他、それ以上の温度領域でもV三量体の非整合な整列と考えられる秩序状態を示す。この系に一軸歪を印加することにより光学スペクトルがほぼ等方的に変化することをすでに見出しているが、さらにポンププローブ分光測定によって光照射によるshockwaveの周期を測定することにより音速が見積もられることを用いて、一軸歪下の音速の変化を測定し、音速が1%程度変化することを見出した。これは、歪がVの軌道相関との結合を通じて弾性率を変化させていることを示唆している。 (3) t2g軌道のd1電子は二量体を形成し、d2電子は軌道整列によって三量体を形成することがこれまでの研究によって明らかになっている。t2gのd3電子が正四面体上にあると軌道整列によって四量体を形成することが期待される。NaCl構造をとるVOはV2+ (d3)がfcc配置をとるため、このような状況が期待されるが、VやOの欠損が多数はいるため、軌道整列の観測の報告はない。我々は、原料にK2CO3を混ぜてフローティングゾーン法を行うことによってVOxの巨大単結晶を作製することに成功した。今後、電子状態の測定等を通じて、短距離の軌道整列の可能性を探る
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナのために、外部施設を用いる研究に影響が出たが、それ以外はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って進めていく
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Orbital and magnetic ordering and domain-wall conduction in ferrimagnet La5Mo4O162021
Author(s)
T. Katsufuji, M. Miyake, M. Naka, M. Mochizuki, S. Kogo, T. Kajita, Y. Shimizu, M. Itoh, T. Hasegawa, S. Shimose, S. Noguchi, T. Saiki, T. Sato, and F. Kagawa
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Journal Title
Phys. Rev. Research
Volume: 3
Pages: 013105
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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