2019 Fiscal Year Annual Research Report
How do fluid simulations reproduce kinetic simulation results?
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19H01868
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅田 隆行 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (40432215)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プラズマ科学 / 宇宙プラズマ / 計算機シミュレーション / 高性能計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
Thompson [1961]のジャイロ平均した速度分布関数の近似式に基づいて、三次及び四次モーメント量の近似式を導出した。また、ケルヴィン・ヘルムホルツ不安定性の2次元full-Vlasovシミュレーション結果より三次及び四次モーメント量を計算し、導出した近似式との直接比較を行った。その結果、四次モーメント量はよく近似できていることに対し、三次モーメント量はほどんど近似できていないことを示した。本研究グループの過去の研究において二次モーメント量もよく近似できていることを示した[Umeda et al. 2016]ため、この結果はThompson [1961]の奇数モーメント量の近似式を見直す必要があることを示唆する。 1次元full-Vlasovシミュレーションによる接触不連続のパラメータサーベイを行い、Maxwell速度分布を持つプラズマ中ではMHD平衡解としての接触不連続が存在しないことを示唆した。更に、full-Vlasovシミュレーションと全く同一パラメータを用いた1次元hybrid-Vlasovシミュレーションとの直接比較を行い、接触不連続の崩壊の要因が三次モーメント量である熱輸送量であることを示した。この結果は、流体と運動論の差を作る要因の1つが三次モーメント量であることを示唆する。 高次モーメント量を含む電磁流体方程式を導出し、差分化のための格子系の検討を行った。また、staggered格子系の方程式についての高次精度化スキームの検討を行い、1次元Maxwell方程式について従来のFDTD法を四次精度に拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度の課題として設定した3つのうち、境界層の多次元full-Vlasovシミュレーションは順調に進んでいる。また磁場に沿った円柱座標系の回転方向に平均化したVlasov方程式を用いたThompson[1961]のモーメント近似法について、3次モーメント量である熱輸送テンソルの近似精度が悪いことを示した研究結果を出版した。4次モーメントまでを含んだ電磁流体方程式を導出し、計算手法の検討を行っている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
Vlasovシミュレーションについては計算を継続する。また磁場に沿った円柱座標系の回転方向に平均化したVlasov方程式を用いたThompson 1961のモーメント近似法について、平均化したVlasov方程式そのものについて、導出過程から見直す。四次モーメントまでを含んだ電磁流体方程式については、計算手法の検討を引き続き行い、また磁場に対するガウスの法則(磁場の無発散)を満たすため、staggered格子系の導入を試みる。
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Research Products
(18 results)