2020 Fiscal Year Annual Research Report
中国ロシア日本を統合するGNSS観測ネットワークで見る東アジア変動帯の全容
Project/Area Number |
19H01984
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 浩晃 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30301930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大園 真子 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10623837)
田部井 隆雄 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (40207220)
中尾 茂 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (90237214)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GNSS統合解析 / 東アジア / 広域地殻変動 / プレート運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスの感染拡大のため当初予定していた中国・ロシア側研究者との打ち合わせと国際ワークショップを開催することが出来なかった。このため、日本側で解析パラメータのチューニングを先行させることにした。解析対象領域は北西太平洋地域から東~北東アジア地域をターゲットとして約10年分のデータについて解析を実施した。解析結果の妥当性を検証するために国土地理院のF3解座標時系列との比較を実施した。座標系として最新のITRF系を採用し観測点ごとの最適な大気潮汐荷重係数を利用することで、国土地理院F3解と同等以上の再現性をもつ座標が導出可能であることが確認できた。 解析の座標解の安定性の検証が目的なので、太平洋プレート上の安定領域にあるコキーパーク・ウエーク島・南鳥島、フィリピン海プレートの安定領域である沖の鳥島・南大東・北大東、大陸域の上海・北京・水原・長春・イルクーツクにプレート境界にある父島を加えたネットワークでの解析を行った。太平洋プレート上の沖の鳥島の座標時系列は安定しており速度の時間変化は見られない。同様にフィリピン海プレート上の沖の鳥島でも安定した座標時系列が得られた。一方、韓半島にある水原や中国東北部にある長春では2011年東北地方太平洋沖地震によるステップとそれに続く速度変化が検出された。速度変化は地震後現在まで減衰しているようには見えない。 また、GNSSデータの統合解析の事例として、千島列島のサリチェフ火山(松輪島)2009年噴火時の日本とロシアのGNSSデータをロシア側と協力して解析を進めた結果、噴火に伴う電離層の異常を検知することが出来た。これは日本とロシアのデータ統一解析が可能なことを示す結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、当初予定していた中国・ロシア側共同研究社との対面での技術的打ち合わせ及び国際ワークショップの開催が実現できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も海外渡航による対面打ち合わせ難しいと考えらるため、オンラインに切り替え統一解析戦略の検討を進めることとする。一方、GNSSデータ解析ソフトウエアのパラメータは膨大であり、対面方式では時間をかければその確認は容易であるものの、オンラインでは実施が難しい場面も出てくると考えられる。このため、オンライン打ち合わせ方法でも確認可能な方法を検討する。同時に、統一解析座標時系列のチェックなど、対面方式では容易に行える作業もオンラインではより多くの時間が必要な事項もあるため、解析する観測点を少なくするなどの方策を検討する。
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Research Products
(3 results)