2022 Fiscal Year Annual Research Report
中国ロシア日本を統合するGNSS観測ネットワークで見る東アジア変動帯の全容
Project/Area Number |
19H01984
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 浩晃 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30301930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大園 真子 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10623837)
田部井 隆雄 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (40207220)
中尾 茂 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (90237214)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 広域テクトニクス / 東アジア / GNSS |
Outline of Annual Research Achievements |
日本列島北部から中国大陸東部の過去20年間の地殻変動の時空間特性について検討を深めた。中国側共同研究者から提供された座標時系列と国土地理院のF5座標時系列及び独自に解析した座標時系列の整合性を共通する観測点での座標を比較することで検討し、ITRF14系で解析されたいずれのデータも同様の時間変化を示していて乖離は見られず、統合して利用することが可能なことが明らかにされた。これらのデータを併合して中国東北部の観測点を基準として日本列島北部の座標時系列を検討した結果、2003年十勝沖地震より前から非定常の地殻変動が見られることが明らかになった。また、2003年十勝沖地震後の余効変動を用いて北海道南部の粘弾性構造を推定したところ、1×10^18Pa sの粘性率が得られ、余効変動が長期にわたり継続する可能性が示された。この結果は、北日本で発生した1983年日本海中部地震や1993年北海道南西沖地震、1994年三陸はるか沖地震などM7~8の地震が、震源から数100km離れた場所においても、日本列島北部の広い範囲で粘弾線緩和による長期的な余効変動を引き起こしていたことを示唆しており、非定常変動の定義により、地震前後の地殻変動場の時空間変化の解釈や、それを用いた日本海溝~千島海溝南部のプレート境界での固着率推定に大きな影響を与える可能性が示された。日本列島の地殻変動には、過去に発生した地震の余効変動が長期にわたり重畳していることが広域的な視点から観測データに基づき確認された。また、余効変動の時間減衰は粘弾性構造に大きく依存する。北海道でも南西部と東部では粘性率が一桁違うことが明らかになり、現在進行形の変動からフォーワード的にその影響を見積もることは難しいが、複雑な地殻変動特性を示す日本列島においても、広域な座標基準を用いることで絶対的な地殻変動場の評価が可能であることが示された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)