2020 Fiscal Year Annual Research Report
6 DOF Non-Contact Micro Manipulation for Biological Object
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19H02093
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
新井 健生 電気通信大学, その他部局等, 客員教授 (90301275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 勝 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (00533647)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マニピュレーション / 微小対象 / 旋回流 / インジェクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,液体中における細胞などの生体微小対象物の6自由度非接触マニピュレーションについて,新たな駆動方法を提案し,その原理の解明や限界値を究明し,バイオ分野での有効な応用例を示すものである.今年度は以下の項目を実施し有用な成果を得た. 1)3次元磁場とバブル振動を用いた駆動:3次元磁場内で球状や円筒状の磁性体(磁性体マイクロロボット)を駆動する方式を実現した.高速カメラによりリアルタイムのモニタリングを行い,任意の経路制御を実証した.球状磁性体と細胞を閉空間にトラップし,磁性体の回転により細胞を回転させる手法を確立した.新たな駆動原理として,ピペット先端に固定されたバブルを外部から超音波振動を加えることにより,ピペット先端に渦流が発生し,この渦流が対象物を回転させること(バブル振動法)を見出した.超音波振動の振幅や周波数と対象物回転速度との関係を定量化した.このバブル振動法は非接触駆動として有用な発見となった. 2)非接触マニピュレーション:磁気駆動方式では,異なる磁極を持つ磁性体を組み合わせることにより,多自由度の運動が実現されることを確認し,運動解析を行った.高速度カメラの画像を利用して,実細胞や細胞モデル(高分子ビーズ)の回転状態を観測し,回転制御を実現した.また,バブル振動法を磁性体マイクロロボットに組み込み,マイクロロボットの新たな推進法として適用できることを示した.チューブ状の磁性体を試作し,磁場によりチューブを変形させることにより,小型ポンプとして機能することを実証した.チューブ先端に針を接続することにより,マイクロインジェクタとして応用可能なことを確認した. 3)微小生体資料の高精度マニピュレーション:PDMSを適用した微小流路中の閉空間に卵細胞を捕捉し,卵の姿勢制御の後,PDMS膜を透過して針を侵入させインジェクションを実現する手法を設計構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初課題を繰り越しして実施したが,新たな手法の発見など当初想定以上の有用な成果を上げることができた.なお,次年度に予定していたまとめの課題が,さらに翌年度に繰り越されたが,現時点(令和3年度末)において検証実験にも着手しており,最終年度には当初計画以上のより多くの成果が見込まれている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の繰り越し分について,検証実験を実施し,最終的な成果の取りまとめを行う.
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Research Products
(14 results)