2019 Fiscal Year Annual Research Report
ロボット体表面に配置された多眼高速視覚ネットワークによる視覚サーボ制御
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19H02102
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
並木 明夫 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40376611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 拓 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (10512113)
山川 雄司 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 講師 (90624940)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高速ビジョン / 視覚サーボ制御 / 高速マニピュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の知能ロボットでは,使用するカメラ台数は少数に抑えられ,設置場所も人間のように頭部に装着するか,ハンドアイとして手先に装着するかのどちらかであり,視界は狭く,オクルージョンによる死角が頻繁に生じるという問題があった。そのため,複雑なタスクでは成功率が上がらず,作業速度も人間以上に遅くなっていた。本課題ではこの問題を解決するために,小型高速カメラをロボットの体表に高密度で配置することで,「無死角性」と「高速性」を実現する多眼高速ビジョンネットワークシステムを実現する.今年度は下記の研究を行った. 1. 多眼高速ビジョンネットワークシステムの試作: 小型カメラIU233N2-Zを用いた検証システムを構築した。これはモジュールサイズの超小型カメラであり,最大240Hzの画像出力が可能である.今年度は,本研究グループで開発中の高速ロボットハンドアームのハンド部分に小型カメラを組み込んだ.3本指ロボットハンドの各指先に2台,掌に2台の計8台の小型カメラが搭載された.カメラと同時にLEDも装備することで照明の制御も試みた.今回は検証を容易にするために,カメラはUSB変換機を通して画像処理システムに接続するようにし,分散処理ノードの開発は次年度以降の課題とした. 2. 多眼視覚サーボ制御:ハンド表面上の複数のカメラによる視覚サーボ制御システムを開発した.検証システムを用いて高速に移動する物体のキャッチングを実現した.ここでは,多眼高速ビジョンの一部を3次元認識に,残りのビジョンを画像ベース視覚サーボに用いる視覚サーボ制御手法を提案した.実機実験によって安定した把持動作を実現することができた. .
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に基づき,高速ロボットハンドアームのハンド部分に小型カメラを組み込んだシステムを開発することができた.小型カメラは3本指ロボットハンドの各指先に2台,掌に2台の計8台を搭載されており,実機検証に十分な性能を実現することができた. さらに,開発した検証システムを用いて,高速に移動する物体のキャッチングを実現することができた.多眼高速ビジョンの一部を3次元認識に,残りを画像ベース視覚サーボに用いる手法を新たに考案し,実機実験によって安定した把持動作を実現することができた. 以上のように,システム開発とアルゴリズム開発の双方において十分な成果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき研究を進める.具体的には下記のとおりである. (1)多眼高速ビジョンネットワークシステムの試作:今年度開発したシステムの改良を行う.カメラの数を増やすとともに,データ通信と画像処理ユニットについて検討を行う. (2)カメラネットワークの動的最適経路制御:(1)の開発と同時に最適なデータ転送について検討する.(3)多眼視覚サーボ制御:今年度開発したアルゴリズムを改良し,多様なマニピュレーションへの対応を目指す.(4)無死角を実現する実時間3次元認識:(3)の視覚サーボの研究と並行して,体表面上の複数のカメラによる2次元画像と3次元距離画像を統合することで,無死角となるような環境認識の実現を目指す.
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Research Products
(14 results)