2019 Fiscal Year Annual Research Report
Coupled multicore fiber technology for innovative optical fiber communications
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19H02183
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齊藤 晋聖 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (20333627)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光デバイス・光回路 / 光ファイバ / 空間分割多重 |
Outline of Annual Research Achievements |
光ファイバ中にコアが一つだけの従来のシングルコア単一モード光ファイバによる伝送容量は、伝送波長帯域の制限や耐非線形性の観点から、近い将来に限界に突き当たることが予想されている。本研究では、光ファイバ通信の限界を打ち破る方法として、1本の光ファイバに多数のコアを収容したマルチコアファイバ技術と、一つのコアの中を伝搬する複数の固有モードを利用したマルチモード伝送技術を組み合わせた「結合型マルチコアマルチモードファイバ」により、伝送容量の飛躍的な拡大と長距離伝送の両立を可能にする空間分割多重伝送技術を確立することを目的として研究を進めた。2019年度の研究では、結合型マルチコアマルチモードファイバのモード分散に伴う群遅延広がりを見積もることができる解析手法を開発した。また、本解析手法を用い、各コアに3つの空間モード(2LPモード)が伝搬する場合におけるファイバパラメータと伝送路のランダム性(摂動量の大きさ)の関係を調査し、各コアがシングルモードである結合型マルチコアファイバと比較して、各コアがマルチモードとなる結合型マルチコアファイバでは、全てのモード間でのランダム結合(強結合)を生じさせることが格段に難しくなることを明らかにした。さらに、マルチコア・マルチモード伝送を実現するためのモード制御技術に関して、石英ガラスによる平面光波回路に基づくモード混合(ミキシング)型のモード合分波器の構成法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結合型マルチコアマルチモードファイバによる伝送容量の飛躍的な拡大へ向けて、当初の計画通りに研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
結合型マルチコアマルチモードファイバのモード分散の測定結果を設計にフィードバックし、昨年度までに開発した群遅延広がり解析手法の精度を高めていくとともに、本解析手法を駆使し、モード間群遅延時間差低減のための設計指針について検討を行う。特に、コアパラメータやコア配置、伝送路の曲げやねじれ状態の変化による群遅延広がりへの影響について詳細に調査することにより、各コアが複数の伝搬モードを有する結合型マルチコアマルチモードファイバにおけるモード間群遅延時間差の低減を目指す。また、マルチコア・マルチモード伝送を実現するための平面光導波路型モード制御技術に関して、導波路構造とモード依存損失の関係を調査し、モード依存特性低減について検討を行う。
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Research Products
(9 results)