2019 Fiscal Year Annual Research Report
GHz帯横波斜入射の複素反射率測定による抗原抗体反応の高感度粘弾性計測
Project/Area Number |
19H02202
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳谷 隆彦 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (10450652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 真司 同志社大学, 生命医科学部, 助教 (00735326)
吉田 憲司 千葉大学, フロンティア医工学センター, 助教 (10572985)
鈴木 雅視 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60763852)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 圧電薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体の界面での粘弾性変化を用いて、抗原抗体反応を定量できる可能性がある。液体試料の粘弾性を評価する手法として,複素反射率測定法が報告されている.液体試料の複素反射係数より,試料の複素音響インピーダンス,弾性定数,粘度等の横波音響特性が決定できる.この手法を用いた多くの先行研究が存在するが,300 MHzを超える周波数における報告は見当たらず,UHF帯の液体の粘弾性挙動は明らかではない. 本研究では,基板付き擬似すべりモード共振子TSM-HBAR(Thickness Shear Mode High overtone Bulk Acoustic Resonator)を用いて,複素反射率測定の原理に基づいたUHF帯における液体試料の粘弾性評価を行った.さらに,高感度化を目指して,台形柱型トランスデューサを用いてSH(Shear Horizontal)波を液体試料に対し斜めに入射したときの実験結果についても考察した. 台形柱型トランスデューサの時間応答波形をでは、圧電薄膜から発生した音波が経路 88.0 mmを通って応答波形として現れている.この経路長と石英ガラスの横波音速3768.9 m/sを考えると,応答波形が23.4 μs周期で観測されていることから,SH波の応答信号であることが分かる.また,第1回反射波SH1にゲート機能を適用し,フーリエ変換して得られる挿入損失の周波数特性では、およそ143 MHzで横波励振効率が最大となっていることを確認した. 斜入射による粘弾性評価の結果から、反射係数振幅 が単調に変化しているほか,80 wt.%以下の試料のずり弾性定数がある程度正当に評価できていると思われる.一方で,特に20 wt.%や40 wt.%の反射係数位相 の評価結果にばらつきが見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今回傾斜配向ScAlN薄膜を台形状基体に作製することに成功し、十分な結晶配向性も得ることができた。さらに複素反射率を得ることもできたことから当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、計画どおりに、さらに傾斜配向ScAlNを反転多層成長させて、大面積の複素反射率測定を目指していく。
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Research Products
(57 results)