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2019 Fiscal Year Annual Research Report

古紙を原料とする革新的泥土処理技術の開発とその処理メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 19H02235
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

木村 亮  京都大学, 工学研究科, 教授 (30177927)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 澤村 康生  京都大学, 工学研究科, 准教授 (20738223)
宮崎 祐輔  京都大学, 工学研究科, 助教 (10847320)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords古紙 / 微細化加工 / 高含水泥土 / セルロース / 地盤の水分分布
Outline of Annual Research Achievements

本工法の処理原理は,主にセルロースによる吸水作用であると考えられるが,古紙微細粉体の吸水性能に与える因子,古紙微細粉体が高含水泥土中に添加撹拌された際の力学的な役割については明確になっていない.初年度は特に以下の点について研究を実施した.
1.古紙微細粉体そのものの吸排水性能に及ぼす要因:古紙微細粉体の嵩密度と吸水量に関する実験を実施し,両者の間に相関関係があることを明らかにした.嵩密度は簡易な手法で測定可能であることから,生産時に嵩密度を計測するだけで,おおよその吸水能力を推定できることを示した.
2.古紙微細粉体による処理泥土の利活用:古紙微細粉体を高含水泥土に添加することにより,みかけの含水比が低下し,即座に運搬可能な状態にまで変化することを確認した.また,その運搬可能性について,コーン貫入試験と振動台実験の関係から整理した.さらに,処理泥土を再利用することを念頭にセメントを混合した場合の強度特性の変化についても検討した.
3.セルロースの分解に伴う処理泥土の中長期的な物性変化:応募者らが提案する処理技術は,セルロースの吸水特性を利用したものであるが,セルロースは土中の糸状菌が分泌するセルラーゼによって分解されることが知られている.みかけの含水比を一時的に低下させることを目的とした場合は問題とならないが,処理泥土を保管する場合や,盛土材料などに再利用する場合には,セルロースの分解に伴う処理泥土の中長期的な変化が問題となる.そこで,古紙微細粉体を土中に埋設し,その質量の変化を長期的に観察する実験をスタートした.その結果,実験開始から2か月程度経過した時点において,古紙微細粉体は土中で分解が進んでいるものの,吸水量には大きな変化は見られなかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は,古紙微細粉体による高含水泥土処理のメカニズムと処理泥土の物理特性変化を明らかにすることである.古紙微細粉体による高含水泥土の処理原理は,古紙に含まれるセルロースによる吸水作用が主たる要因であると考えられる.さらに,古紙微細粉体が土粒子周辺の間隙水を吸水することで地盤が不飽和状態となることも流動性を低下させる要因のひとつであると考えられる.一方,処理泥土を再利用することを考えると,古紙微細粉体による保水性や透水性の向上,さらに,繊維状の物質を添加したことにより,短繊維地盤改良と同様の効果を期待することができる.2019年度は,上記の目的を果たすため,「1.古紙微細粉体そのものの吸排水性能に及ぼす要因」,「2.古紙微細粉体による処理泥土の利活用」,「3.セルロースの分解に伴う処理泥土の中長期的な物性変化」について検討を行い,当初の計画通り概ね順調に研究を実施することが出来た.

Strategy for Future Research Activity

本年度は,①古紙微細粉体を含む処理泥土の地盤材料特性,②古紙微細粉体が高含水泥土中に添加された際の力学的な役割,③セルロースの分解に伴う処理泥土の中長期的な物性変化,に着目して研究を進める.
1.古紙微細粉体を含む処理泥土の地盤材料特性:古紙微細粉体を含む処理泥土に対して,せん断・圧密・透水・締固め等の土質力学における基本試験を実施し,その材料特性の変化を観察する.特にせん断については,処理泥土の変形に伴い地盤内部の水分保持形態が変化することが予想されることから,マイクロX線CTを活用してせん断時の水分保持特性について画像解析を用いて検討する.処理泥土を加圧脱水した後に締固めて再利用する場合を考えると,繊維質が添加されたことによる地盤改良効果を期待することができる.そこで,みかけの含水比が等しい試料を複数作製して試験を行い,短繊維補強の効果についても確認する.
2.古紙微細粉体が高含水泥土中に添加された際の力学的な役割:古紙微細粉体による高含水泥土処理では,古紙微細粉体の吸水作用により,みかけの含水比が低下する.本研究では,土粒子と古紙微細粉体の間でどのように間隙水のやり取りがあり,古紙微細粉体により吸水された水は処理泥土内でどのように分布しているのか,微視的な観察により明らかにする.
3.セルロースの分解に伴う処理泥土の中長期的な物性変化:前年度に既に土中に敷設したサンプルを用いて,セルロースの分解に伴う処理泥土の中長期的な物性変化について継続して検討を行う.

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 2019

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Compressive strength characteristics of a cement-fine shredded paper-treated clay2020

    • Author(s)
      Gathuka N. Vivian, 宮﨑祐輔,澤村康生,矢野隆夫,木村 亮
    • Organizer
      第55回地盤工学研究発表会
  • [Presentation] 古紙を原料とする微細粉体による粘性土地盤の特性変化2019

    • Author(s)
      澤村康生,矢野隆夫,木村 亮
    • Organizer
      第13 回環境地盤工学シンポジウム発表論文集

URL: 

Published: 2021-01-27  

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