2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the tempera assisted bio-based 1shot ground improvement technics.
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19H02239
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
畠 俊郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (30435424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠間 清伸 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (10315111)
米田 純 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (40760187)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 微生物固化 / テンペラ / 短期施工 / 長期安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,テンペラの併用によりMICP単体と比較して高強度の供試体が作成可能となる配合に関する検討を行った. 着目したテンペラはアルカリ環境下で溶解が促進される特性を持つため,ソイルミキサーを用いて攪拌時間と強度増進効果の関連性を明らかにした.混合直後から5分程度の攪拌においてもテンペラによる強度増進効果が確認されるものの,攪拌時間を10分以上とすることにより,より高い強度が得られることが明らかとなった.この攪拌時間(反応時間)と強度発現のメカニズムをミクロ・マクロの両面から明らかにすることを目的として顕微鏡による結晶析出状況の可視化および最終的に析出した炭酸カルシウム種を広島大学放射光科学研究センター(HiSOR)のBL11を使ったXAFSにより解析した結果,その多くがカルサイトである可能性が示唆された.こちらについては最終的な析出物のみの解析であり,次年度については反応過程のモニタリングを行い,より詳細な結晶析出・強度増進メカニズムを明らかにする必要があると考えている. このテンペラを併用したMICP技術のもう一つの利点としては,添加する尿素量の削減によりMICPで課題とされている尿素の加水分解に伴い発生するアンモニア量の低減が可能となることがあげられる.実際に同じ強度を得るために必要となる炭酸カルシウム析出に伴って発生するアンモニア量の低減効果も確認できたため,強度増進のみならず環境負荷低減効果も期待できることが明らかとなった. 一方,着目したテンペラは乾燥状態では高い強度を示すものの湿潤状態で著しく強度が低減することも明らかとなり,長期安定性と合わせてテンペラ自体の耐水性改善について取り組む必要があると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
着目したテンペラによる強度増進に適した施工方法についての基本的な知見を得ることができたことに加え,最終的に析出している鉱物種(炭酸カルシウム種)を確認できた点は順調と考えられる. 一方で乾燥状態では非常に高い強度を示すテンペラが水分を含むと軟化し強度が低下することも明らかとなった. 土壌表層の粉じん抑制や表層防護等適用範囲を限定すれば現状でも十分現場に適用できる水準まで研究が進んだと考えているが,より幅広い分野での利用を考えた場合には耐水性の向上が必要不可欠であり,この点において進捗がやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
室内試験ではより幅広い分野への応用を視野に入れ,テンペラ自体の耐水性向上に関する検討を進めていく計画である.あわせて,現在までに得られた知見をもとに切土斜面表層を対象に提案技術による表層保護処理の有効性を学内の斜面を使った実証試験により明らかにしていく計画である. この実証試験サイト脇に各種配合で準備した試験体を設置して自然環境下において長期安定性・耐水性に優れた配合を明らかにしていく計画である.
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Research Products
(7 results)