2019 Fiscal Year Annual Research Report
縮小社会における総合的・中長期的な空き家対策に向けた実証的研究
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19H02322
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
田村 誠邦 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 特任教授 (60601862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 芳朗 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50396769)
樋口 秀 新潟工科大学, 工学部, 教授 (90293258)
加藤 悠介 金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (80455138)
橋田 竜兵 九州大学, 人間環境学研究院, 学術協力研究員 (20815063)
菊地 吉信 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (30334808)
江口 亨 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (60599223)
渡邊 史郎 国土技術政策総合研究所, 住宅研究部, 主任研究官 (70749209)
浅野 純一郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10270258)
西野 達也 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (90403584)
鈴木 雅之 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (90334169)
鵤 心治 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (30264071)
松村 秀一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (00199853)
大原 一興 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (10194268)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 空き家活用 / 空き家対策 / 管理不全空き家 / 空き家再生 / 地域再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全国各地の空き家問題への取り組み事例を調査・分析するとともに、諸外国における空き家問題への取り組み事例を調査・検証し、中長期的な時間軸の中で、現に存在する空き家の管理や活用、除却という観点とともに、空き家の増加を防ぐための施策の在り方、並びに地域の外部不経済たる空き 家問題を地域主体の力で解決するための課題と具体的方策を、都市計画、建築計画、建築社会システム等の観点から総合的かつ実証的に明らかにすることを目的としている。 2019年度の実績としては、12月に、全国1051の自治体に対し、空き家対策に対する郵送でのアンケート調査を実施し、714件の回答を得た。自治体の空き家対策に係る部署については、管理不全空き家と利活用可能空き家を別の部署が扱っている自治体が多いことがわかった。このため情報共有や所有者等への対応に関して部署間の連携がうまくいっていないという意見が多くみられた。対策としては空き家対策の専門部署の設置を検討している自治体が多く、すでに27%の自治体で中心となる部署が設置されているが、人口5万人以下の小規模自治体ではその比率が人口5万人超の自治体の1/3にとどまった。 そのほか、相続人調査に多大な労力がかかるとの意見も多かったが、司法書士等の専門家グループに委任することで解決している事例もあった。また空き家所有者の適正管理への意識が乏しいという意見も多く、所有者への啓もう活動が必要と考えられる。 空き家の管理、活用、除却に主体的かつ積極的に取り組んでいる地域主体については、12月に鹿児島県頴娃町のNPO法人頴娃おこそ会に対するヒアリングを実施し、空き家再生を通しての過疎地でのまちづくりの実例を現地視察した。 2020年1月以降も、先進的な地域主体等へのヒアリング、現地調査、空き家再生のシンポジウム等を予定していたが、新型コロナの感染拡大により実施を断念した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、2019年12月まではおおむね順調に進行していたが、2020年1月以降は、新型コロナウィルスの感染拡大により、研究の進行に若干の遅れが生じている。 具体的には、2020年2月及び3月に計画していた、空き家再生を通したまちづくりについて先進的な取り組みをしている地域のNPO等の地域主体への現地ヒアリングが中止に追い込まれたほか、2020年3月に予定していた、空き家再生、空き家活用を通しての地域再生やまちづくりに取り組んでいる団体の代表者や有識者によるシンポジウム「縮小社会における持続可能な地域のつくり方」の開催を断念せざるを得なかった。 また、2020年度に予定していた、海外調査についても、新型コロナウィルスの感染拡大により日本および相手国による渡航制限等により、予定が立たなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度には、これまで積み残しとなっている諸外国における空き家問題への取り組み事例についての海外調査を実施したいと考えているが、これについても、今後の新型コロナウィルスの感染状況によっては、実施を断念することもあり得ると予想される。 こうしたことから、2022年度は本研究の最終年度にもあたるため、これまでの研究実績、成果を活かして、広く社会に情報発信し、空き家問題に対する一般市民の理解を深めるとともに、空き家問題を解決する社会的な仕組み(市場機能を活かして空き家の賃貸化や流通を促進する仕組みや、空き家活用についてのファイナンスの仕組み等)の事例を研究していく方針である。 そのため、引き続き、全国各地の空き家問題への取り組み事例について調査・分析を進めるとともに、空き家再生を活かした地域づくりや空き家に対する政策提言等をテーマにしたシンポジウムの開催や書籍の出版についても、積極的に取り組んでいく所存である。
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Research Products
(15 results)