2020 Fiscal Year Annual Research Report
Nozzle throat erosion mechanisms in hybrid rockets
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19H02336
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永田 晴紀 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40281787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 督司 北海道大学, 工学研究院, 助教 (80451441)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハイブリッドロケット / ノズル浸食 / 地上燃焼実験 / 再現法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、提案者らが過去の研究で開発に成功した、ハイブリッドロケットのノズルスロート面積と燃料流量の各時間履歴を同時に取得する手法であるNozzle Throat Reconstruction Technique(以下、NTRT)を用いて、ノズル浸食(ノズルスロートが浸食により拡大し、ノズル膨張比が下がる現象)の物理/化学機構を解明し、浸食速度予測手法を構築することを目指すものである。R1年度は以下の内容を実施した。 1. 酸化剤の種類がノズル浸食に及ぼす影響:ガス酸素および亜酸化窒素(N2O)を酸化剤として実施する地上燃焼実験において、水冷によりグラファイトノズルの温度条件を変えてノズル浸食データを取得した。 2.モータスケールがノズル浸食に及ぼす影響:スケールの影響は、主に酸素モータにより取得する。R1年度に取得した200 N級データに追加して、推力8 kN級大型モータによりノズル浸食履歴を取得し、小スケールで取得した浸食特性が大スケールにおいても適用可能であることを確認した。 3.共同研究の発展的展開:研究協力者であるローマ大学のD. Bianchiらとの共同研究により、ノズル浸食の予測を可能とする技術を構築する。R2年度は8/24-26に遠隔接続で開催されたPropulsion and Energy Forumで共著論文を1件発表した。 4.ノズル浸食を抑制する技術:ノズル浸食が開始する条件を整理することで、浸食開始条件を酸化剤濃度、ノズル壁面温度、および燃焼室圧力により、酸素と亜酸化窒素に関して統一的に記述することに成功した。1.で述べた水冷ノズルを用いた燃焼実験により、ノズル浸食開始条件の有効性を確認し、浸食開始温度以下に冷却することによりノズル浸食を抑制することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ノズル浸食開始条件を明らかにし、グラファイトノズルを浸食開始温度(圧力やO/Fにも依存するが、1500 K程度)以下に冷却することで浸食を抑制出来ることを実験的に確認することが出来た。これは当初の想定を超える重要な成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の手順は以下の通りである。 1.酸化剤の種類を変えて地上燃焼実験を実施し、NTRTを用いて、酸化剤の種類、OF比、ノズル壁面温度、および燃焼室圧力がノズル浸食に及ぼす影響を明らかにする。 2.複数のスケールのモータで地上燃焼実験を実施し、モータスケールがノズル浸食に及ぼす影響を明らかにする。 3.ローマ大学の数値計算グループと共同研究を発展させ、ノズル浸食の物理/化学メカニズムをより広範な作動条件で解明し、ノズル浸食を予測する手法を開発する。 4.浸食を抑制する材料や表面加工技術を見出す。 これまでの研究の進展は当初計画を超えて順調であり、R3年度以降もノズル浸食開始条件やノズル浸食速度の詳細な調査を中心に当初予定通りの研究計画に従って継続する。
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