2019 Fiscal Year Annual Research Report
Social design for excess punishment and risk reduction under the zero information cost society
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19H02376
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 不二夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30377775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 教授 (70328574)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 炎上分析 / スラックティビズム / エージェントベースシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ソーシャルメディアなどWEB上の行動データを収集し,善意に基づく懲罰行動がどのように実現されているかを分析するために,ソーシャルメディア上の炎上に着目した分析も行った.参加ユーザの特性を分析するために,ユーザが所属するコミュニティと拡散トピックとの関係を分析する手法を提案した.また,情報拡散からデマや誤情報などを早期に検出する手法の開発を行った.さらに,公共財ゲームに基づくソーシャルメディアモデルを再検討し,より精度の高いモデルの構築を行った. Web調査を通じて人が他者を評価する際に用いる規範を調査した。その結果従来の理論的分析で得られている規範とは異なる規範を人々が採用していることがわかった.また,オンライン実験を用いて恩送り・罰送りといった行動がどのような心理態度で規定されるのかを分析した.2019年は恩送りに焦点を当て実験を行った. 被験者実験では,通常の公共財ゲームでは財が分割されてメンバ全員に等しく配られることが想定されるが,財が分割されないケースで,集団内のメンバに対して交互に財が配られる「ROSCA型相互扶助ゲーム」に関し,メンバの「次回参加拒否ルール」という,参加の受入可否による懲罰制度の効果を分析した.分析の結果、1)次回参加拒否ルールは,未来利益が大きいと協力確率を大きく向上させること、2)既存研究で知られていたの財の「受領権喪失ルール」を組み合わせると最も協力確率が高くなることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り (1-1) 量的過剰懲罰の被験者実験 (2-1) 社会における過剰懲罰の分析 が行われた.
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Strategy for Future Research Activity |
(1-2) 質的過剰懲罰の被験者実験 被験者実験によって,質的過剰懲罰が発生するための条件を明らかにする.ここでは,合理的無知が質的過剰懲罰を発生させるという仮定に基づき,懲罰に関する情報の獲得コストの影響を被験者実験によって測定する. (2-2) 社会における過剰懲罰の分析 2019年度に引き続きソーシャルメディアなどWEB上の行動データから過剰懲罰の分析を行う.特に質的過剰懲罰に着目し,情報拡散ネットワーク分析に基づき合理的無知の発生を確認し,その影響を分析する.
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Research Products
(13 results)