2020 Fiscal Year Annual Research Report
Social design for excess punishment and risk reduction under the zero information cost society
Project/Area Number |
19H02376
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 不二夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30377775)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 教授 (70328574)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 炎上 / 過剰懲罰 |
Outline of Annual Research Achievements |
中央銀行による量的緩和に関する実験的研究が国際学術誌Journal of Economic Dynamics and Controlに採録された。この研究では、国債の取引を模した実験室市場において、資産が現金の完全代替の状態で、合理的な期待の均衡の下では資産のファンダメンタル価格が一定値を持つような条件下において取引を行うようにした。介入がない場合、ファンダメンタル価格からの取引価格の乖離は市場取引の経験を繰り返すと共に小さくなることが既存研究で知られていたが、介入があると、ファンダメンタル価格からの乖離が維持されることが明らかになった。 また、間接互恵性の私的評価系分析をシミュレーションを用いて網羅的に行い、3つのジレンマと2つの解決方法を提案した。さらに間接互恵性の理論研究に関するサーベイ論文を発表した。 また、SNS上の情報拡散についてエージェントベースシミュレーションおよびデータ分析を行った。遺伝的アルゴリズムとゲーム理論を用いた分析より,ネットワークの構造がエージェントによる情報の拡散に影響を与え,特に隣接するユーザの存在が需要な要素となることを示した.また,新型コロナ禍においては社会的なイベントが人々の感情を大きく変化させ情報の拡散に影響を与えることを示した. また,協力の進化に関するこれまでの多くの研究において扱われていなかった人が持つバイアスに着目し、理論的に予測される帰結と実際の人間の行動の乖離の実態について実験・シミュレーションを用いて明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・質的過剰懲罰の被験者実験 ・社会における過剰懲罰の分析 ・過剰懲罰の数理モデルの解析 が進展した.
|
Strategy for Future Research Activity |
過剰懲罰が社会に与えるリスクを見積もるための数理解析やシミュレーションを行う。 また、市場や新型コロナ禍の人々の行動のモデル化を行い、自己組織化や自発的な協力の効果、およびデマ情報の拡散行動などの分析を行う。
|
Research Products
(9 results)