2021 Fiscal Year Annual Research Report
Social design for excess punishment and risk reduction under the zero information cost society
Project/Area Number |
19H02376
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 不二夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30377775)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 教授 (70328574)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 炎上 / 過剰懲罰 |
Outline of Annual Research Achievements |
過剰懲罰が存在する社会におけるリスク状況を見積もるためのエージェントシミュレーションを行った。その結果、過剰懲罰はどのような社会構造であってもリスクを増大させるのに対し、適度な懲罰はそれがない社会に比べてリスクを低減させることを明らかにした。この成果は 2021年4月に Scientific Reports に公表した。 金融市場における定型化された事実の多くが自己組織化される人工市場モデルを構築しこの成果はPhysica Aに掲載された。 新型コロナウィルス感染拡大下において、我が国では一般市民に対する強制力のある規制は行われず、自発的な協力が求められただけである。このような環境下では、人々にとっては多数の人が家にとどまり感染予防に協力したうえで自分自身は自由に行動することが自身は小さなリスクのもとで利益を最大化できる。この状況を社会的ジレンマの枠組みで分析し、感染予防に関する向社会的行動ならびに他罰的な規範を持つ人々の規定因を2時点パネル調査で分析した。その結果、感染拡大初期には互恵性などの向社会性が行動や規範を規定していたが、感染拡大後の2021年時点ではそれらの効果が弱まることが明らかとなった。 また、2020年のトイレットペーパー不足騒動におけるツイートの分析を行い、デマ情報を訂正しようとする情報が拡散しすぎた影響で多元的無知によって混乱を引き起こすことを示した。また、シミュレーションによって適切な訂正情報の拡散量についての分析を行った。この成果はPLOS Oneに掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・質的過剰懲罰の被験者実験 ・社会における過剰懲罰の分析 ・過剰懲罰の数理モデルの解析 が順調に進み,過剰懲罰のモデル化とリスクを低減する社会制度設計についても研究が進んでいるが,社会における過剰懲罰の分析に若干の遅れがみられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果を踏まえリスクを最小化するような適切な懲罰はどのような性質を持つのかについて数理解析やシミュレーションを用いて精緻化する。 2022年度は引き続き新型コロナウィルス感染拡大下における自発的な協力の効果について第3波以降の調査・分析を実施する。
|
Research Products
(8 results)