2020 Fiscal Year Annual Research Report
Design and synthesis of calcium ion regulatory molecules based on maitotoxin
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19H02720
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大石 徹 九州大学, 理学研究院, 教授 (90241520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
此木 敬一 東北大学, 農学研究科, 准教授 (40292825)
佐竹 真幸 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90261495)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイトトキシン / 梯子状ポリエーテル / カルシウムイオン流入活性 / 化学合成 / 生物活性発現機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,2019年度に引き続きMTXのW-F’環部(1)の化学合成を検討した。本申請者は,梯子状ポリエーテルの合成に有用なα-シアノエーテルを経由する二環構築型収束的合成法を開発しているため,この方法論をW-F’環部(1)の合成に応用した。既に合成済みであるC'-F’環部(3)とW-Z環部(4)から,アセタール化による連結,続くアセタールの位置選択的開裂により,鍵中間体であるアルファ-シアノエーテル(5)へと誘導した。さらに閉環メタセシス反応を経由して八員環エーテルを構築してエノン(6)へと変換した後,S, O-アセタール化,ラジカル還元を経由して十環性化合物(7)へと誘導した。S, O-アセタールのラジカル還元において,再現性が得られないという問題が生じたが,種々検討を行った結果,望む立体化学を有する還元体を得ることができた。最後にF’環部側鎖末端部にオレフィンを導入し,MTXのW-F’環部(1)の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の目的であったMTXのW-F’環部(1)の化学合成を達成することができたため,おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,2020年度に合成したMTXのW-F’環部(1)の構造解析および生物活性評価を行う。この化合物は非常に複雑な構造を有しているため,単離・構造決定の専門家であり,研究分担者である東京大学の佐竹真幸准教授の協力の下に構造解析を行う。この合成した化合物(1)を用いて,研究分担者である東北大学の此木敬一准教授と共同で生物活性評価を行う。すなわち,化合物(1)がMTXによって引き起こされるCa2+流入活性を阻害するかどうかを放射性45Ca2+を用いて調べる。一方,直線的な合成法を用いる従来法ではC’-F’環部(2)の合成に多段階を要することが問題となっていた。本申請者は,フラン誘導体のカップリングおよびAchmatowicz反応を利用した6/6/6-三環性エーテルの収束的合成法を開発しているので,この方法論を利用したC’-F’環部(2)の改良合成法を検討する。さらに2021年度は,MTXのA-F環部(4)の合成を行う。本申請者は,フラン誘導体のカップリングおよびAchmatowicz反応を利用した6/6/6-三環性エーテルの収束的合成法を利用したDEF環部(5)の合成を既に達成しているので,B環部に相当するエノールホスフェート(6)との鈴木-宮浦カップリングを経由して収束的に合成する計画である。さらに,側鎖を導入しつつA環部を構築することでA-F環部(4)を合成する。
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Research Products
(15 results)