2021 Fiscal Year Annual Research Report
Glycopolymer nanomedicine based on the controlled polymerization and the operation of biological functionality
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19H02766
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 佳子 九州大学, 工学研究院, 教授 (00335069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 友 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40554689)
長尾 匡憲 九州大学, 工学研究院, 助教 (40904008)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖鎖高分子 / 精密重合 / 分子認識 / レクチン / シグレック / インフルエンザウイルス / 多価効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖鎖高分子は糖鎖が高分子に沿って集合した構造を取っているため、タンパク質に対する多価効果を発現し、強い分子認識能を発揮する。分子認識能の増強効果は、タンパク質の糖結合サイトに結合する糖に依存する。RAFTリビングラジカル重合を駆使して精密重合に基づいて、糖鎖高分子の構造を制御し、分子認識能の制御について検討した。 まず、糖認識タンパク質としてインフルエンザウイルスのヘマグルチニンを選び、糖鎖高分子の形状をタンパク質と同様の三角形に適合するように、スターポリマーを合成した。トポロジーを制御した糖鎖高分子はヘマグルチニンに優れた結合性を示した。また、同様の目的で、環状糖鎖高分子の合成を行った。 また、細胞に対する分子認識能の制御を検討した。細胞としてマクロファージを選び、細胞表面のシグレック(シアル酸に結合する糖認識タンパク質)に対する結合の制御およびそれに伴う、免疫抑制効果について調べた。3‘-シアリルラクトースを有するアクリレートとテトラヒドロフランアクリレートを共重合した糖鎖高分子を合成して、マクロファージに対する免疫抑制効果をSEAP産生から評価した。免疫抑制能は、糖鎖密度に大きく依存していた。 また、重合の方法について、光電子移動(PET)を用いた方法を検討した。光触媒を用いて、酸素を還元しながら重合するPET-RAFT重合を検討した。酸素存在下でも効率的にリビングラジカル重合を行うことができた。様々な糖を含む糖鎖高分子共重合体のライブラリー合成法を検討し、40種類程度の糖鎖高分子を同時に合成した。合成した糖鎖高分子については、SPRイメージングでコレラ毒素に対する結合を測定し、幾つかの糖鎖高分子共重合体は、オリゴ糖鎖(GM1の糖部分)に類似する機能を発揮することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RAFTリビングラジカル重合法を用いた糖鎖高分子の制御は、分子量、共重体の合成、トポロジーの制御など自在に駆使できる状態であり、研究は円滑に進行している。形状が分かっているタンパク質に対しては、その分子認識能を合目的的に制御できる段階に到達している。細胞に対する作用を制御する手法についてはアッセイ手法について、やや問題点があり、最終年度に進展を図る。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は2022年度に最終年度であり、精密重合を用いたバイオ機能材料の開発について、タンパク質、ウイルス、細胞など各種の生体分子認識に対して有用であることを示す。細胞に対する生体機能の制御は、タンパク質と異なり、膜への分配性、糖認識タンパク質への特異性を併せ持つことが必要で、これらを制御した上で、精密重合を利用したバイオ機能高分子の開発について総合的な知見を得るように進める。
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Research Products
(18 results)