2020 Fiscal Year Annual Research Report
Promotive, inhibition factor of collaborative open space management with citizens
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19H02981
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
愛甲 哲也 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (30261332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 直之 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (00422014)
御手洗 洋蔵 東京農業大学, 農学部, 助教 (20758768)
武 正憲 筑波大学, 芸術系, 准教授 (30724504)
松島 肇 北海道大学, 農学研究院, 講師 (40359485)
庄子 康 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60399988)
町田 怜子 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (90724675)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公共緑地 / 協働型管理運営 / ボランティア活動 / 市民参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
公共緑地における市民が参画した管理運営事例を、阿蘇くじゅう国立公園の草原再生に取り組む阿蘇グリーンストック、茨城県つくば市の都市域から山域までの市民団体、札幌市で活動する園芸ボランティア団体のメンバーへのアンケート調査を実施した。また、仙台市の小学校と一緒に海浜植物の復元に取り組んでいる市民団体、並びに小学校の活動への参与観察とインタビュー調査を実施した。アンケート調査は、団体の所属会員および参加者に対して、活動の動機、活動の頻度、組織や活動場所への愛着、活動継続の意欲、活動継続の阻害要因などの共通項目と、事例地の特徴も踏まえた項目からなる。意識調査には、新たに新型コロナウィルス感染症の蔓延による活動への影響についても項目を一部に追加した。 その結果、活動経験者の地域や団体への愛着、活動の動機と頻度との関係、阻害要因の具体的な内容が明らかになった。新型コロナウィルス感染症により、市民環境活動に関するイベントや活動の休止も多く、活動の継続に苦慮している実態も明らかとなった。仙台市の事例のインタビュー調査からは、現地への移動手段や専門知識にもとづく指導者の確保などの課題が挙げられ、経費等のサポートや活動のマニュアル化などの対策が検討されていることが明らかとなった。 また、一般市民を対照に、都市公園の利用実態、市民環境活動への参加経験、活動への意欲、活動の動機、活動の頻度、組織や活動場所への愛着、活動継続の意欲、活動継続の阻害要因からなる意識調査を実施した。結果として、新たに市民環境活動に関心をもつ回答者も多く、活動への意欲と阻害要因が明らかとなった。また、活動を停止または休止している回答者もおり、何が阻害要因だったかを分析した。 これらの成果の一部は、学会での口頭発表・ポスター発表、一般向けの講演会などで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的である公共緑地の市民協働における協働の体制、参加者の意欲と満足度、活動の持続性、管理運営業務のコスト縮減効果、中間支援組織の役割、地域コミュニティや環境保全に果たす役割を評価する指標や調査シートの整理が行えた。それをもとにして、参加経験者が公共緑地の管理運営に参加や協力をする動機、継続できる理由、阻害する要因などについてアンケート調査が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
公共緑地の管理運営に参加経験のある市民に対する意識調査を、草原再生活動、つくば市の自然と緑のボランティア活動、さっぽろタウンガーデナーの参加者を対象にした意識調査結果の分析を継続して行う。また、それぞれの活動内容や対照箇所の違いによる影響について、比較分析を実施する。一般市民を対象にした、都市公園や市民環境活動への参加意欲、関心、懸念する要因などについての意識調査についても分析を継続し、参加経験者との比較を行う。 札幌市の市民農園の参加者を対照に、農業経験、農地の維持管理等への参加意欲に関する意識調査を実施する。北海道の農業体験を行う施設、団体の会員を対象にした調査を実施する。 また、活動の経験者、未経験者に、市民活動の体験や課題を共有し、促進要因と阻害要因、その解消策などを明らかにするグループミーティングをオンラインで行うことを検討する。
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Research Products
(9 results)