2021 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on hydrogen producing machineries of marine vibrios
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19H03041
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤辺 智雄 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (30241376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美野 さやか 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (00755663)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイオ水素 / マリンバイオマス / 海洋微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
化石燃料代替エネルギー生産技術開発は,学術的・社会的要請が高い地球規模課題である。海洋バイオマスのエネルギー変換技術の開発もその一つであるが,アルギン酸などの難燃料化成分が多く,その完全変換にはさらなる技術革新が必要である。我々が見いだした新規マリンビブリオは,Hyf複合体を核とするギ酸水素リアーゼ(FHL)複合体を介した独特の水素代謝を示し,海藻由来の種々の糖を水素化する。しかし,マリンビブリオ触媒の水素生成能を高める分子育種基盤の構築は発展途上であり,海洋バイオ水素生産性向上のボトルネックでもある。Hyf複合体の分子レベルで特徴を理解するためには,マリンビブリオは恰好の生物材料であるため,本研究では,マリンビブリオが有する活性型Hyf複合体の特徴を理解し,多彩な海洋バイオマスからのより効率的な水素生成が可能な海洋微生物触媒の構築にフィードバックさせる知見を得ることを目的に研究を進めた。その結果以下の成果を得た。 ①バイオ水素生成マリンビブリオの完全ゲノム比較:得られた完全ゲノムに基づく比較を行い,1)ビブリオ科の共通祖先はhyf型FHLを保有していた可能性が示唆された、2)水素生成能の高いPorteresiaeクレードの2種はhupEが失っていることが示唆された、3)水素生成能に影響するHFLクラスター構造の変異が明らかになった。 ②水素生成マリンビブリオ触媒の能力比較:プロトノフォアを用いたV. tritoniusの細胞生理学実験により,ある種のプロトノフォアで細胞内のギ酸塩漏出に伴う水素生成能の現象が観察された。 この種の細菌の高い水素生成能とギ酸取り込みとの関連性を支持する結果を得た。 ③遺伝子工学:V. tritoniusのFHL要素としてのギ酸脱水素酵素遺伝子産物の構造予測と遺伝子クローニングを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたほぼすべての細菌の完全ゲノムを取得し,予期しなかった進化的解釈が可能になった。また、水素生成プロファイルの理解が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子工学的研究を進展させる。
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Research Products
(5 results)