2022 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリの雌雄産み分けは可能か?ー鳥類性決定機構の解析を通してー
Project/Area Number |
19H03107
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀内 浩幸 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (80243608)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ニワトリ / 性決定 / DMRT1 / HEMGN / PGC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,鳥類であるニワトリの性を決定するマスター遺伝子ではないかと考えられているDMRT1とHEMGN遺伝子に着目し,本遺伝子をゲノム編集技術によりノッ クアウトし,その表現型を様々な観点から調査した。2022年度は,ZsGreen1発現DMRT1ノックアウトPGCをオス胚へ移植し,PGCから精子への分化過程を追跡した。その結果,孵卵7.5日では,正常なPGCもDMRT1ノックアウトPGCもその分布と数に変化は認められなかった。一方,孵卵14日胚では,Nanog発現PGCの割合がDMRT1ノックアウトPGCで高く,正常なPGCでは低くなっていた。さらに逆に精原幹細胞マーカーは,DMRT1ノックアウトPGCで低く,正常なPGCでは高くなっていた。孵化後,3ヶ月のオスの精巣個体では,ZsGreen1発現細胞は著しく現象していた。以上の結果は,DMRT1がPGCにおける精子分化の調節因子として機能しており,DMRT1ノックアウトでは孵卵13日前後に出現する精原幹細胞に異常が生じている可能性を示した。ニワトリで雄化に機能すると報告されていたHEMGNのノックアウト解析では,メス個体では造血系に異常が生じ,胚性致死にはならないものの,肝臓の黄変化,卵管の萎縮と卵胞の未発達が観察された。これは,ニワトリでもHEMGNが血液細胞の分化成熟に関与していることを示している。一方,HEMGNヘテロノックアウトオス個体では,生殖巣への影響は観察されなかったが,HEMGNとDMRT1の遺伝子発現が孵卵8.5日目に半減していた。これは同時期のメス個体の発現量に一致していた。またオス生殖巣でHEMGNとDMRT1に続き発現するSOX9はわずかに減少し,ミューラー管の分化を抑制するAMHの発現は,変化は認められなかった。以上の結果は,DMRT1とHEMGNの直接的・間接的な相互作用を示している。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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