2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research and development for practical use of individualized canine cancer immunotherapy
Project/Area Number |
19H03132
|
Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
塚田 晃三 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (90304930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 道郎 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (00238586)
山本 一郎 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (00424763)
田村 恭一 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (00722282)
宮前 二朗 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (40846143)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | がんワクチン / 安全性試験 / 犬 / 細胞傷害性活性 / DLA-88型 / 臨床研究 / 倫理委員会による審査 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、がんワクチンのアジュバンド成分の検討、腫瘍の細胞診からがん種の特定及びがん抗原survivinの発現検査法の確立を進めてきた。これにより、犬個別化がんワクチンの実施の目処が立ち、その安全性を確認することが本年度の研究課題となる。6匹の老齢のビーグル犬を譲り受け、がんワクチンの安全性試験と効果の検討を実施した。安全性試験では、ワクチン接種部位の観察と記録、血清生化学検査にて、炎症反応、肝機能、腎機能、膵機能を評価した。ワクチンの効果については、末梢血単核細胞PBMCからゲノム解析によりDLA-88型を調べ、一方、血液から分離したCD8+T細胞の各種ペプチドに対する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)反応をELISA法によるPerforin-1の検出で実施した。これらの結果、ワクチン接種部位に多少の腫大がみられたものの1から2ヶ月で消失する点、血清生化学検査による異常値は検出されなかったことから安全性試験をクリアすることができた。また、CTL反応では、6匹中3匹に活性がみられ、DLA-88*502:01を有する個体に反応したと考えられた。 安全性試験の結果を踏まえ、大学附属動物医療センターにて臨床研究を実施するための書類(がんワクチンの概要、計画書、臨床研究同意書、安全性試験結果)を作成して医療センター倫理委員会にかけ、4ヶ月に渡る審議の結果、承認された。臨床研究に向けた院内ポスターによる募集を実施し、応募のあった2症例の臨床研究を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床研究を開始したものの応募者が少なく、その要因は、がん疾患におけるがんワクチンの期待度が低いため、治療方針としてがんワクチンが選択されないことが上げられる。一般的に、外科療法、化学療法、放射線療法が選択されることが多く、その後にほとんどが急変して死亡するため、がんワクチンの機会が得られないことが上げられる。学内だけでなく、外部へのアナウンスが不十分である点も大きい。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、犬の口腔内悪性黒色腫の1例で、がんワクチンを実施継続中である。本学での初診から5ヶ月経過中で元気な状態を維持している。このような症例の実績を重ね、少なくとも、院内の担当医にもう1つの治療戦略として認知してもらい、症例を増やして行くことが重要と考える。また、学外へのアピールとして、大学附属動物医療センターホームページに学内の先端医療として紹介してもらえるよう提案しており、現在委員会の承認待ちである。
|
Research Products
(1 results)