2021 Fiscal Year Annual Research Report
エキソソームを介した筋萎縮発症機序の解明と新たな治療へのアプローチ
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19H03516
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
金山 博臣 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10214446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 健 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20263824)
津田 惠 徳島大学, 病院, 特任助教 (30769188)
尾崎 啓介 徳島大学, 病院, 医員 (30814157)
布川 朋也 徳島大学, 病院, 講師 (70564342)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エキソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
がん悪液質はがん治療に対する抵抗性、有害事象の発生に関与し、治療成績向上の大きな障害となっている。研究代表者らはヒト由来細胞を用いたがん悪液質モデルを用いて新たな治療法の開発を目指している。 本研究では、ヒト由来筋細胞に対してがん細胞由来エクソソームの投与することにより筋管の形成が障害されることが示された。また、骨格筋構成タンパク質のミオシン重鎖をコードする遺伝子であるMYHCの発現量は、Total MYHおよび速筋であるMYH1、MYH2、遅筋であるMYH7全てにおいて悪液質誘導がん細胞由来エクソソームを添加により低下していることが確認されている。 また、がん細胞由来エクソソームのmiRNA解析と、筋細胞のmicroarray解析を基に筋細胞に細胞内代謝を引き起こす候補分子を同定し、標的候補のmiRNAのinhibitor投与によりこの悪液質モデルでの筋萎縮の改善が確認されている。 同定された候補miRNAは、ミトコンドリア内の呼吸鎖複合体関連分子を標的としていることが予測されたことから、筋細胞内ミトコンドリア呼吸鎖複合体構成成分を評価したところ、ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅱ、V の発現低下が蛋白レベルで確認された。また、筋細胞のCE/MS解析では、ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅱの機能低下と一致し、コハク酸脱水素酵素の機能低下を示唆する所見としてコハク酸の細胞内濃度上昇とフマル酸の細胞内濃度低下が確認された。 また、本研究では患者由来腫瘍組織を用いたPatient-dirived xenograftモデル(PDXモデル)を確立しており、上述の悪液質誘導がん細胞由来エクソソームによるミトコンドリア機能障害の評価をPDXモデルでも行い、これらの筋細胞内での細胞内代謝変化ががん悪液質の治療標的となりうることを実証する計画である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)