2021 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌微小環境のクロストークによる免疫抑制を標的とする次世代ウイルス製剤の開発研究
Project/Area Number |
19H03731
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤原 俊義 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00304303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 新士 岡山大学, 大学病院, 助教 (60633758)
吉田 龍一 岡山大学, 大学病院, 講師 (80534768)
田澤 大 岡山大学, 大学病院, 准教授 (90415513)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / 細胞・組織 / 医療・福祉 / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、OBP-301に多機能がん抑制遺伝子であるp53を搭載した次世代型武装化ウイルス製剤 OBP-702の膵癌間質細胞による免疫抑制機構への効果を検証し、免疫担当細胞浸潤の乏しいcold Tumorである膵癌に対する複合免疫療法の前臨床研究を実施する。間質細胞を標的とすることで他の種々の細胞とのクロストークに関わる様々な分子を制御することができ、がん細胞のみを狙った既存のコンセプトとは異なる革新的な治療法の開発につながる可能性がある。
膵癌間質細胞(ヒト膵星細胞: hPSC)とヒト膵癌細胞を用いた高間質3Dモデルを作成し、OBP-702の用量依存性の増殖抑制効果を確認できた。間質を同定するaSMAと膵癌細胞を染めるcytokeratin、さらにp53の蛍光免疫染色を行うことで、腫瘍縮小効果と間質におけるp53遺伝子発現を同時に視覚化することが可能であった。また、TUNEL染色を合わせて行うことで、hPSCにおけるアポトーシス誘導も検出することができた。In vivoにおいてもhPSCの影響を検討するため、膵癌細胞とhPSCを同時移植する皮下腫瘍モデルを作成したところ、hPSCによる増殖促進効果が認められた。免疫組織染色によって、hPSCでのp53遺伝子発現を確認することができた。
以上の結果より、膵癌微小環境においてhPSCは膵癌細胞と共存することで腫瘍増殖を促進しており、OBP-702はhPSCにおいても強力なp53遺伝子発現を生じるとともに選択的なアポトーシスを誘導することで、膵癌細胞自体への抗腫瘍効果に加えて膵癌微小環境の制御を介した統合的な抗腫瘍活性を発揮すると考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)