2021 Fiscal Year Annual Research Report
病原性レンサ球菌が病態を誘導する分子機構の解明と新規制御法の探索
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19H03825
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50273694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 匡宣 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90444497)
住友 倫子 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (50423421)
山口 雅也 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (00714536)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 病原性レンサ球菌 / A型インフルエンザウイルス / 肺炎球菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザに合併する細菌性肺炎を原因として死亡する高齢者の増加が社会的問題になっている.合併する細菌性肺炎の主な起因細菌は肺炎球菌であり,新規感染制御法の確立は喫緊の課題である.A型インフルエンザウイルス (IAV) 感染上気道組織では,上皮細胞表層へ異所性に誘導される小胞体局在シャペロン GP96 が肺炎球菌の下気道肺組織への定着を亢進させ,二次性細菌性肺炎の増悪因子として機能することを明らかにした.さらに,GP96シャペロン機能の阻害により,細菌性肺炎の発症と病態形成を制御できることを動物モデルで証明した.また,IAVに感染した肺胞上皮細胞では,細胞間接着分子群の分解や発現の抑制を担う制御因子であるカルパイン,ADAM10,およびSnail1の活性化により,上皮バリアの機能障害が誘導されることを解明した. 細菌性髄膜炎は,鼻咽腔に定着する細菌が血行性に髄膜へ伝播することにより発症すると推察されている.しかし,鼻咽腔から血流中への細菌伝播を決定づける因子や血液脳関門を破綻させる分子機構は不明である.本研究では,肺炎球菌をモデル細菌として,鼻咽腔に定着した細菌が血液脳関門を通過せず,嗅覚神経経路を介して非血行性に脳内へ到達するかについて解析を行った.嗅球、大脳、および小脳への肺炎球菌の伝播は,ニューモライシン遺伝子 (ply) の欠失により有意に低下したが,ply欠失株へのply の再導入により野生株と同程度にまで回復した.また、組換えニューモライシンを経鼻投与したマウスにply 欠失株を経鼻感染させた結果,野生株と同程度の脳伝播能を認めた.これらの結果から,肺炎球菌のニューモライシンの作用により鼻粘膜上皮バリアを傷害し,非血行性に脳組織へ伝播することが示唆された.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(30 results)