2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel oral cancer stem cell model mimicking human oral cancer by reprogramming and insertion of gene mutation
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19H03853
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
工藤 保誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (50314753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲治 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (00169153)
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214)
石丸 直澄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60314879)
泰江 章博 徳島大学, 病院, 講師 (80380046)
嶋本 顕 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (70432713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 癌幹細胞 / 初期化 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ケラチノサイトに初期化を不完全に誘導し、ヒト口腔癌でみられる遺伝子変異を導入することによりヒト口腔癌病態を模倣した癌幹細胞モデルを確立することを目指している。さらに、その解析から新たな口腔癌の発生・進展機構を解明することを目的としている。不完全な初期化細胞を含めたiPS細胞から分化誘導させたケラチノサイトあるいは一過性に初期化因子を発現させた口腔粘膜由来ケラチノサイトに、口腔癌患者で高頻度に認められるTP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異を導入し、口腔癌幹細胞モデルを作り出すことを計画した。ケラチノサイトに、口腔癌患者で高頻度に認められるTP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異をゲノム編集により導入することを試みたが、技術的に難しいことが明らかとなった。そこで、TP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異を有するノックインマウスをゲノム編集により作成した。現在、それらマウスのコロニーを増やしており、最終的にそれらを交配させたトリプルノックインマウスを作成し、そのマウス舌から採取したケラチノサイトに、一過性に初期化因子を発現させ、ヒト口腔癌病態を模倣した癌幹細胞モデルをさせる。また、同時進行で、ケラチノサイトに一過性に初期化因子を発現させる予備実験も行っている。この予備実験により、初期化因子を誘導する期間を調べ、不完全に初期化を誘導するタイミングを模索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ケラチノサイトに初期化を不完全に誘導し、ヒト口腔癌でみられる遺伝子変異を導入することによりヒト口腔癌病態を模倣した癌幹細胞モデルを作成することを試みる。本年度は、ケラチノサイトに、口腔癌患者で高頻度に認められるTP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異をゲノム編集により導入することを試みたが、技術的に難しくうまくいかなかった。そこで、TP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異を有するノックインマウスをゲノム編集により作成し、それぞれの作成したマウスを交配させることにより、トリプルノックインマウスを作成し、そのマウス舌から採取したケラチノサイトに初期化因子を一過性に導入する計画に変更した。まず、TP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異を有するノックインマウスをゲノム編集により作成した。研究において、口腔癌患者で高頻度に認められるTP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異を有するノックインマウスを作成することに成功し、現在、そのマウスを増やしている。次年度には、トリプルノックインマウスが作成できる予定である。また、野生型マウスの舌よりケラチノサイトを初代培養し、一過性に初期化因子を導入する予備実験も同時に行っている。一過性に初期化因子を導入するベクターの改変も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔癌患者で高頻度に認められるTP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異を有するトリプルノックインマウスを作成し、そのマウス舌から採取したケラチノサイトに、一過性に初期化因子を発現させ、ヒト口腔癌病態を模倣した癌幹細胞モデルをさせる。また、同時進行で、ケラチノサイトに一過性に初期化因子を発現させる予備実験も行っている。この予備実験により、初期化因子を誘導する期間を調べ、不完全に初期化を誘導するタイミングを模索する。これら実験により、in vitroで口腔癌幹細胞モデルを作成し、その性質を詳細に検討する。また、マウス舌に口腔癌幹細胞を同所移植し、in vivoにおける細胞動態を詳細に検討する予定である。
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