2020 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of efficient specific health guidance operation based on the combined receipt and specific medical checkup big data of Osaka Prefecture
Project/Area Number |
19H03871
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
守山 敏樹 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (30283815)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 陵平 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 准教授 (00533853)
芳賀 昭弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (30448021)
新澤 真紀 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30704788)
福井 小紀子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40336532)
土岐 博 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (70163962)
古徳 純一 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (70450195)
山川 みやえ 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80403012)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 特定健診 / 特定保健指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大阪府下の市町村国保健康保健組合(市町村国保)と国民健康保険組合(国保組合)で構成される大阪府保険者協議会および大阪府後期高齢者医療広域連合が管理している777万人分および166万人分の2012~2017年の診療報酬明細書(レセプト)データおよび96万人分および44万人分の特定健診・後期高齢者健診データを対象にした、約6年間の後ろ向きコホート研究である。その目的は、特定健診受診者のうち、特定保健指導を受けた受診者と受けなかった受診者の生活習慣病の発症率などの臨床的アウトカムを比較することによって、特定保健指導の有効性を評価することである。 対象データは総データ量1TBのビッグデータであり、高機能ワークステーションを利用した高速データ処理が必須である。当初想定していたよりもデータ処理に時間がかかることが判明し、データのクリーニングおよび標準化プログラムの開発に長期間を要したが、2020年度より標準化されたデータを利用した疫学的解析を開始した。 まず、特定保健指導の有無にかかわらず、特定特定健診・後期高齢者健診が受診が未治療の生活習慣病患者の行動変容につながっているかをどうかを評価するために、特定特定健診・後期高齢者健診で発見された未治療の糖尿病患者の医療機関での糖尿病関連検査の実施率を算出した結果、1年検査実施率が約50%にとどまることが判明した。 今後、特定保健指導の有効性の指標として、特に医療アクセスに注目した解析を行う予定である。特定保健指導を行なった患者群と行わ なかった患者群において、その後の医療アクセスの有無を評価することによって、特定保健指導による医療アクセスの促進効果を評価する。ま た、同様に健診の再受診率を評価することによって、健診受診率の効果を評価することによって、特定保健指導が医療アクセスおよび健診再受診に及ぼす影響を評価する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象データは、総データ量1TBのビッグデータであり、高機能ワークステーションを利用した高速データ処理が必須である。当初想定していたよりもデータ処理に時間がかかることが判明し、データのクリーニングおよび標準化プログラムの開発に長期間を要した。また、診療報酬明細書(レセプト)に収載されている薬剤コードであるレセプト電算処理システムコードを、薬剤の効果に基づいた分類であるWHOのAnatomical Therapeutic Chemical (ATC)分類に変換するマスタの開発にも長期間の時間を有した。2020年度よりようやく疫学的解析が可能になり、特定健診受診者の特性およびその後の経過に関連するデータの抽出が可能になった。その結果、特定健診・後期高齢者健診で発見された未治療の糖尿病患者のうち、その後1年間で医療機関において糖尿病関連検査を患者の割合がわずか50%程度であることが明らかになった。今後特定保健指導の受診の有無が、生活習慣病の発症抑制のみならず、医療機関へのアクセス率の促進に及ぼす影響を明らかにする予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
特定保健指導の有効性を評価する前に、特定健診・後期高齢者健診において発見された無治療の生活習慣病患者が、その後医療期間を受診し ているかどうかを評価することによって、特定健診・後期高齢者健診が実際に医療アクセスに結びついているかどうかを評価した。2014年4月 ~2016年12月に特定健診・後期高齢者健診において発見された無治療の糖尿病患者4924人が、その後医療機関を受診し、糖尿病関連検査を実施 するまでの期間を算出した。その結果、前年度の健診受診歴があり、その時のHbA1cが高い糖尿病患者ほど、医療アクセス率が低いことが明ら かになった。特に前年度の健診時HbA1c≧8.0%の患者の1年後の累積医療アクセス率は50%未満であり、健診受診後の医療アクセスの向上が大き な課題であることが判明した。 本年度は、特定保健指導の有効性の指標として、特に医療アクセスに注目した解析を行う予定である。特定保健指導を行なった患者群と行わ なかった患者群において、その後の医療アクセスの有無を評価することによって、特定保健指導による医療アクセスの促進効果を評価する。ま た、同様に健診の再受診率を評価することによって、健診受診率の効果を評価することによって、特定保健指導が医療アクセスおよび健診再受 診に及ぼす影響を評価する予定である。
|