2020 Fiscal Year Annual Research Report
アドオンゲノムコホートによるアトピー性皮膚炎と自閉スペクトラム症の戦略的病態解明
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19H03894
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗山 進一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (90361071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相場 節也 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (80159269)
菅原 詩緒理 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (60642204)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アドオンコホート / 三世代コホート / アトピー性皮膚炎 / 自閉症スペクトラム症 / クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
アドオンコホートの実施においては、三世代コホートにお肌チェックを取り入れ、リクルートと皮膚科専門医による観察等の調査を継続した。合計で1,217人の方に参加いただいた。このうち皮膚科専門医2人による観察が実施されたのは1,170人であった。この1,217人のうち皮膚科医の意見が一致したのは1,060人(一致率91%、kappa=0.77)であった。アトピー性皮膚炎に関する先行研究の最近の動向を改めて調査し、アトピー性皮膚炎の診断基準に強みと限界を再度明確にし、そのうえで今年度に我々の研究で得られた結果の解釈を行った。その結果、アトピー性皮膚炎には種々の病態があり、従来の医師による診断のみでは、病態として異質な集団が混ざっていても検出できない可能性のあることを見出した。 自閉スペクトラム症においては、人工知能解析技術の一つであるクラスタリングに関する機械学習アルゴリズムを用い、表現型を特徴量としてクラスタリングを実施した。予備研究として、597例の自閉スペクトラム症症例と370例の対照のデータセットを使用して、従来のGWASを実施した。その結果、統計学的に有意な変異は見つからなかった。 自閉スペクトラム症のクラスタリングにおいては、k-means法、階層クラスタリング、DBSCANといった標準的な手法に加え、深層学習を用いたDeep Embedded Clustering手法が、対象をより精緻に分類できる可能性のあることを見出した。 以上の結果から、今年度はクラスタリング手法の開発と、さらにそれらを用いたゲノムワイド関連解析を繰り返し、多因子疾患の病態解明への道筋を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、アドオンコホート調査の実施が遅れた。 自閉スペクトラム症においては、バイオバンクデータの利活用を開始し、順調にクラスタリングとゲノムワイド関連解析を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
年度の後半に感染対策に万全を期しながら参加者を募る。データクリーニング、成果の公表などは次年度に可及的速やかに後れを取り戻す。 自閉スペクトラム症においては順調に進捗しており、次年度は当初計画通りに研究を進める。
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Research Products
(3 results)