2021 Fiscal Year Annual Research Report
アドオンゲノムコホートによるアトピー性皮膚炎と自閉スペクトラム症の戦略的病態解明
Project/Area Number |
19H03894
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗山 進一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (90361071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 詩緒理 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (60642204)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | アドオンコホート / 三世代コホート / アトピー性皮膚炎 / 自閉症スペクトラム症 / クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎(AD)と自閉スペクトラム症(ASD)は、症状などの表現型の点からも遺伝的要因の点からも極めて多様なものであることが以前から指摘されてきた。ASDの主な特徴は、常同行動とコミュニケーション障害であるが、ASDには音への過敏や統合運動障害など他にも多くの症状を示す場合がある。遺伝的要因に関しては、一卵性双生児のASDの一致率は92%、二卵性双生児は10%であることや、兄弟間のASDの再発リスク比は22と高いことなどから、リスクの増加には遺伝的要因が強く寄与していることが示唆されているが、現在のところ1,000を超える候補遺伝子が報告されているものの、ASDのリスクの増加に関連する遺伝的変異は特定されていない。 表現型の変数を適切に組み合わせ、機械学習のクラスタリングアルゴリズムを用いてAD及びASD患者をグループ化し、続いてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行うことで、新規でより遺伝的に均質な集団を明らかにした。クラスター分析とGWASの組み合わせアプローチは、私たちの知る限りでは、ASDを含むいかなる疾患にも適用されていない。 これまでの多くのGWAS研究は、サンプルサイズを大きくすればするほど多くの有意な遺伝子座を特定できることを示してきたが、得られた結果ではオッズ比がせいぜい1.5程度と低く、創薬のターゲットとするなど疾患対策を立てるためには不十分な発見であることが指摘されてきた。わたしたちのデータは、大まかに定義された疾患名よりも、表現型の組み合わせとクラスタリングに基づいたサブグループ化の重要性を示している。 本研究結果から機械学習を用い症例をより均質な集団にクラスタリングすることにより、それぞれの集団の特徴に応じたASDの個別化医療が可能となることが期待される。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)