2020 Fiscal Year Annual Research Report
メンタルヘルスに問題を抱える妊婦の外来看護ケアと多職種地域連携モデルの構築
Project/Area Number |
19H03949
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
工藤 美子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40234455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 仁美 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20595417)
玉木 敦子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (90271478)
渡邉 竹美 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (90279919)
梅田 麻希 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (40424311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メンタルヘルス / 周産期 / 看護 / 外来 / 多職種 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
メンタルヘルス対策はわが国の重要な健康課題の1つであり、妊産褥婦も例外ではない。周産期の女性にかかわる看護職は、精神状態の変化や家族関係などを把握しやすく、ハイリスク妊産婦をスクリーニングしたうえで、妊娠初期から子育て期まで継続した支援を妊婦健康健診等で行っている。妊婦にかかわる看護職は、メンタルヘルスに関する何らかの判断をして支援を行っているが、妊婦からどのような情報を得て判断し、対応や支援を行っているのか具体的に示されていない。昨年度に引き続き、産科外来診療でメンタルヘルスに問題を抱えるハイリスク妊婦への看護支援を経験したことがある看護職と、その看護職が勤務している医療機関内外で連携をとり支援に携わっている保健医療福祉職を研究協力者とし、半構成的面接法による質的記述的研究を実施した。なお、調査は、兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所研究倫理委員会の承認(2018年10月15日付)受けている。 今年度は、看護職15人のインタビューデータをもとに外来での看護支援内容を明らかにした。また、昨年度看護職10人のインタビューからメンタルヘルス支援で意図的に関わる妊婦の特徴を明らかにしたが、5人の看護職のデータを追加して妊婦の特徴を検討した。さらに、保健医療福祉職へのインタビューは昨年度と今年度であわせて19名(保健師9名,産科医師5名,精神科医師2名、ソーシャルワーカー2名,臨床心理士1名)に実施した。1医療施設を中心とした連携体制を、施設内の看護職、産婦人科医師、臨床心理士、メティカルソーシャルワーカー、施設外の精神科医師、地域の保健師のインタビューデータをもとに明らかにした。これらの結果は、次年度の周産期メンタルヘルス学会等の学術集会並びに論文投稿により公表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の分析結果をもとに、量的研究につなげる予定であるが、保健師職のインタビューデータや看護職以外のデータの分析ができていないため、量的研究の実施が未定である。
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Strategy for Future Research Activity |
質的記述的研究により明らかとなったメンタルヘルスに問題を抱える妊婦に対する看護職の支援や多職種による連携体制をもとに、支援ガイド(マニュアル)を作成すると共に、兵庫県内の周産期施設の周産期メンタルヘルスの妊婦の支援の実態や連携の実態を量的に調査する。さらに、その結果を基に、兵庫県内の妊婦に対するメンタルヘルス支援や連携の強化を図る。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の状況により、保健医療体制も影響を受けることから、研究の推進の方向性も検討が必要である。
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