2019 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of cognitive error risk by using neurofeedback driven dynamic functional connectivity
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19H04025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中井 敏晴 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教授 (30344170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Bagarinao E. 名古屋大学, 脳とこころの研究センター(医), 特任准教授 (00443218)
加藤 昇平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70311032)
鈴木 敦命 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80547498)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ニューロフィードバック / fMRI / BMI / 運動処方 / 加齢 / 運動認知訓練 / 脳機能計測 / 神経機能動態結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では高齢者に対する運動・認知訓練がどのような機序で神経機能の保護効果を発揮して認知機能予備能力の恒常性を保つかを明らかにし、その頑強性を推定する指標を開発する。fMRIを用いて認知負荷に対する神経結合の時間応答を抽出する動的神経結合を基準にして自らの脳活動を反映する信号をリアルタイムの情報源として学習効率を向上させる神経フィードバックfMRI(NF-fMRI)に負荷応答の最適化アルゴリズムを組み込んだNF制御型の動的神経結合計測法を考案し、測定スケールの連続化・最適化を実現する。本年度は我々が開発を進めて来た脳機能マップのリアルタイム解析装置(rt-fMRI)により小型アンドロイドを駆動してデコーディングされた表象を動作として提示して学習を行わせるNF-fMRIの判別精度を向上させ、従来の2クラス判別を2次元化して4クラス分類のリアルタイム判別を行える様に改良した。開発したシステムを用いて四肢の運動想起を行いリアルタイムに得た脳機能マップの判別分析を行って運動が想起された四肢を特定し、小型アンドロイドに対応する四肢の動作をさせてその様子を視覚フィードバックさせるNF-fMRI測定モデルを構築した。性能評価実験では、訓練学習の過程で判別器として初期腦機能マップを使い続けると判別感度(Task Predictive Value)と判別精度(Classification Accuracy)が低下し訓練学習の効率を下げるが、判別器の逐次更新法の導入により何の指標も向上することが確認された。此の結果はrtFIN 2019(Maastricht)のシンポジウムで演題として取り上げられた。ASEANとの共同研究を推進する国際ワークショップBrainConnects 2019(Manila)を共催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NF-fMRIの判別アルゴリズムの改良を行い予備実験において性能は良好であったので、実証実験に進む目処がついた。特に機械学習をNFに応用する場合に学習サンプルを逐次的に最適化しなければ適切な学習過程とならない事を実証し得た意義は大きい。本研究がシンポジウム演題に選ばれたrtFIN2019は腦機能イメージングを用いたNFに関する会議であるが、本研究が国際的にも一定の評価を得たものと考えている。目下、脳機能データから動的神経結合を計算する方法を考案するために必要なサンプル数のデータベースの整備を進めている。分担研究では高齢者の日常行動中のリスク認知能力に関する要因分析として、顔認知による意思決定に対する加齢の影響を評価する行動実験を行ったが、顔認知に基づく判断の正確さに有意の年齢差は無く、容貌の類型分類に対する確信度に影響される傾向が高齢者と若年者の何れでも存在することが示唆された。この研究成果を日本心理学会第83回大会で発表し学術大会優秀発表賞(鈴木他)を受賞する評価を得た。尚、本年度計画は肺炎禍の影響を受け一部を次年度以降に実施したが、最終的に計画内容を概ね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
認知予備能力危機を予測しうる動的な神経結合を抽出するために、今後は以下の事項を推進する。1)本年度に構築した小型アンドロイドを介してデコーディングされた表象を提示し学習させるNF-fMRIの判別精度を4クラス分類のレベルで向上させる測定アルゴリズムの改良を行う。初期学習の不良による誤学習発生を防止するために設定している制約条件を解除し完全に自由な学習を行わせる手法の考案に挑戦する。2)神経動態神経結合計算法の妥当性を行動データ(認知機能検査、活動性指標、動作特徴)と比較検証する。NF学習により後部帯状回、高次視覚野、中前頭回の活動亢進が腦機能マップの判別情報に貢献し、何の年齢群でも高次運動野と高次視覚野の活動が左右判別の主たる情報源であると考えられたので、これらの領域間の神経動態神経結合に注目した解析を行ない、其の意義を明らかにする。3)加齢による脳活動領域拡大は脳機能マップの判別分析を一次的に安定化させる方向に作用するが、神経動態神経結合を指標とする場合は加齢による全般的なFC低下が判別精度に影響する可能性があるので、其の有無を明らかにするための方略を検討する。4)転倒リスクの様な日常動作と直接関係する指標と、信頼性・安全性認知の様な社会認知を反映する指標の2つの観点から動的神経結合の意義への近接を試みる。
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Research Products
(18 results)