2020 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of cognitive error risk by using neurofeedback driven dynamic functional connectivity
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19H04025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中井 敏晴 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教授 (30344170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Bagarinao E. 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (00443218)
加藤 昇平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70311032)
鈴木 敦命 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80547498)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ニューロフィードバック / fMRI / BMI / 運動処方 / 加齢 / 運動認知訓練 / 神経機能動態結合 / 脳機能計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動想起(motor imagery)課題を施行した結果得られた脳機能マップから、運動が想起された四肢の脳活動を抽出し、構築したNF-fMRIシステムの性能評価を進めた。学習データの逐次更新を行なう様に判別アルゴリズムの改良を行なった結果、判別精度の向上を実現し運動想起による小型アンドロイドの操作性が若年群でも高齢群でも改善される事を確認した(Front. Neurosci 14, Article 623, 1-17, 2020, doi: 10.3389/fnins.2020.00623)。前年度に開発した脳機能マップのリアルタイム解析(rt-fMRI)により駆動される小型アンドロイドを介してデコーディングされた表象を提示し学習させる判別精度を4クラス分類のレベルにNF-fMRIシステムを拡張し、リアルタイム解析に用いる限られたサンプル数でも実用レベルの4クラス分類が可能である事が確認された。高齢者では活動する脳領域の拡大が生じるために、想起する運動が異なっても類似したマップが生成されるが、本研究により判別精度には影響し無い事が確認されたので、高齢者の神経リハビリに応用する道筋が確立された。健康体操教室の協力を得て実施したフィールド調査の結果、簡易体力測定による指標(PPD)と特定高齢者基本チェックリストによる自己の体力に関する主観(SRD)との関連性が判明し(International Journal of Gerontology 14, 99-103, 2020, doi.org/10.6890/IJGE.202005_14(2).0002)、特に転倒経験や転倒に対する不安が予測因子となる事が確認された。南洋理工大(Singapore)との共同研究では音のピッチ変化による意味認知は自然言語よりもより加齢に対する頑強性が高く、高齢者支援の手法として妥当である事が分かったので(Aging, Neuropsychology and Cognition. doi: 10.1080/13825585.2020.186120)、NF訓練の設計への応用が期待された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加齢による脳活動領域の拡大が判別分析の結果に影響せず、クラスタの拡大が寧ろ持続的な訓練成績の向上に繋がる知見が得られた。若年者では動員される神経回路の最適化が早く進む結果脳活動領域の縮退が見られ、学習による脳活動局在化の効果が判別分析に於いて相殺される傾向が見られるのと対象的である。本年度完成した改良型アルゴリズムを用いれば、高齢者でも安定した成績が得られる事が確認出来たので、第一段階の目標は達成出来た。4クラス分類に成功し身体座標感覚により近づける様になった事も大きな進歩であった。必要な基礎データは揃ったので、本研究開発の目標である神経動態神経結合を算出し、認知予備能力の残存量の推定に資する神経結合の発見に向けて解析を進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
目下の状況も鑑み、令和3年度はこれ迄に得られたデータを最大限に活用して 神経動態神経結合の指標としての妥当性検証を進め、最終年度の取り纏めを行う予定である。四肢の判別が行えればマクロな動きを構成出来るので、弁別の次元を増やすよりも判別精度を向上させる改良が現実的と考えられる。今後はNF-fMRIを応用した訓練法の加齢以外の分野への応用を視野に入れて、訓練課題の開発を検討する予定である。特に神経回路の統合を行う際の認知処理切替障害が問題となる病態への応用が期待出来よう。
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Research Products
(8 results)