2021 Fiscal Year Annual Research Report
Alcohol dehydrogenase in alcohol-related organ disorder
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19H04038
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
奥田 貴久 日本大学, 医学部, 教授 (20620305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成尾 宗浩 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (00772310)
五十嵐 勉 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10421190)
根岸 靖幸 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50644580)
高成 広起 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任講師 (70723253)
勝山 碧 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90803700)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アルコール脱水素酵素 / 脂肪肝 / 骨粗鬆症 / 突然死 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Class 3アルコール脱水素酵素がアルコール関連障害の発症に如何に関わっているかを明らかにし、新既治療の足掛かりとすることを目的とする基礎研究である。アルコール性骨粗鬆症、アルコールと眼疾患、アルコールと突然死、アルコール性肝障害について、日本大学、日本医科大学、徳島大学、鹿児島大学で研究を行っている。骨粗鬆症研究では、骨の免疫調節機能について、13週令のWTマウスの大腿骨および頸骨を破砕後これら骨中に存在する免疫細胞をフローサイトメトリーで検索した所、表面抗原CD3、NK1.1の発現は陽性であるもののT細胞受容体(TCR)を発現しないナチュラルキラーT(NKT)様細胞が非常に多く存在することを見出した。一般に骨破壊を引き起こす破骨細胞の分化、増殖はヘルパーT細胞から産生されるIL-4 やIFN-γによって抑制されることが知られているが、われわれはこのNKT様細胞こそがIL-4の最も主要な産生源である事を見出した。これらの結果より、アルコール性骨粗鬆症は樹状細胞、マクロファージ、 NKT様細胞などの自然免疫系の抑制に起因することが示唆された。眼疾患については、マウスに10%アルコール水を負荷し病理学的検討を行ったがアルコールによる特異的な影響は認めなかった。突然死については、ADH1KOマウスの繁殖が順調に行われ、アルコール負荷後の断酒による突然死の現象が確認できた。断酒モデルにおける臓器採取を完了し、分子生物学的解析を行っている。アルコール性脂肪肝について、研究代表者の所属変更に伴い実験環境の整備を行った。動物実験計画、遺伝子組換え実験計画の承認を得た。ゲノム編集によるAdh5(ADH3)遺伝子ノックアウトマウスを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルコール性脂肪肝についてはコロナ禍の中、研究代表者(奥田貴久)の所属機関変更に伴い新たな研究環境の構築を行い、遺伝子改変マウスの作製に至った。アルコールと骨については実験が完了し論文作成に至った。現在脂質と骨粗鬆症との関連性を検索している。アルコールと突然死については、データ解析中である。アルコールと眼疾患についてはアルコールと眼疾患に関連ないことを報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
アルコール性脂肪肝について、WTマウス、Adh5KOマウスにおいてアルコール負荷時の脂肪肝発症におけるPPARgの関与を確かめる実験を行っていく。骨粗鬆症研究については飲酒におけるIL-4産生低下に至る自然免疫系の役割について論文発表したが、高代謝回転性性骨粗鬆症となっているAdh5KOマウスを解析し、Adh5の関与を明らかにする。突然死について、アルコール負荷から断酒をした際に交感神経系の興奮が病態に関与していると考えられるが、テストステロンを介したKチャネルの働きについて分子生物学的に検討する。令和4年度から、肝・骨における脂質の定量定性分析をメタボローム解析で行えるよう、新たな分担者を加えた。
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Research Products
(6 results)