2020 Fiscal Year Annual Research Report
高可用IoT/CPSのためのブロックチェーン連動型ネットワーク制御技術の研究開発
Project/Area Number |
19H04103
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 寛 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (80451201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 勝吉 北海道大学, 情報基盤センター, 准教授 (00332768)
塚本 和也 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (20452823)
野林 大起 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (40632906)
池永 全志 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (50284716)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | IoT/CPS / ブロックチェーン / AI / エッジコンピューティング / 情報滞留技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、(1)AIを利用したブロックチェーン解析技術、(2)フィールド側ブロックチェーン局所化技術、(3)AIとブロックチェーンが連動するIoT/CPS基盤の3つの課題に分けて遂行した。 まず(1)について、実世界に配備されたIoTデバイスから収集できる実世界の環境・状態に関する情報に加えて、IoT/CPSに関連する通信の履歴から抽出できる通信状態に関連する特徴量を蓄積するデータ管理基盤を、ブロックチェーン基盤であるHyperledger Fabricを利用して設計・試作した。特に、IoT/CPSの通信に生じる異常を検知するために、データ管理基盤に登録されたデータを機械学習アルゴリズムにより解析する機能を設計した。 次に(2)について、高リアルタイム性ブロックチェーンを構築するための要素技術となる、エッジコンピューティングシステムを設計、構築し、実証的にその実現可能性を明らかにした。実際に東京と札幌にエッジコンピューティングのサーバを配置し、タスクの受け入れポリシーを検討した。さらに、今後のIoT環境で重要となる不正なDoH通信の検知技術について検討し、その基本設計を明らかにした。また、情報滞留手法を活用した高機密性ブロックチェーンの構築に関して、所望の地理空間範囲内で確実にデータ滞留が行われていることを検証できるように、ブロックチェーンを利用して各滞留範囲におけるデータ流通の状態を共有・比較するデータ監査技術を提案した。また、ブロックチェーン上で情報が拡散・共有される過程を模擬できるシミュレータを用いて、監査の正確性及びリアルタイム性に関して有効性を評価した。 最後に(3)について、AIとブロックチェーンの連携制御のための機能をエッジサーバやモバイルノードへ配備できるIoT/CPS基盤と、その基盤を活用した具体的なアプリケーションについて、全研究者で検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各機関とも、それぞれが担当する課題について検討を進めるとともに、定期的なミーティングを開催して、各課題の進捗と課題間の連携を確認するとともに、課題の今後の方針について積極的な議論を進めている。外部発表も主たる機関より実施されており、当初の狙いにほぼ沿った予定で進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる令和3年度は、(1)AIを利用したブロックチェーン解析技術と(2)フィールド側ブロックチェーン局所化技術の担当者が、IoT/CPS基盤の具体的な設計や応用例も考慮した上で各課題の検討を進めるとともに、定期的なミーティングを行って進捗報告を行い、各課題を進展させるための議論を行う。これらの打ち合わせを通じて、(3)AIとブロックチェーンが連動するIoT/CPS基盤の具体的な設計を確立し、その試作を進めていく。また、小規模なIoT/CPSシステムを設計・試作し、具体的な応用例を想定した実証実験を実施する。
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Research Products
(4 results)