2019 Fiscal Year Annual Research Report
Structured Convolutional Networks for High-dimensional Signal Restoration
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19H04135
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
村松 正吾 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30295472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 寛喜 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20251788)
崔 森悦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60568418)
日比野 浩 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70314317)
安田 浩保 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 准教授 (00399354)
湯川 正裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (60462743)
小野 峻佑 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (60752269)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スパースモデリング / 信号復元 / 信号推定 / 辞書学習 / 畳み込み構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
計測技術の発展と共に多様かつ膨大な物理データの取得が可能となった。同時に、信号復元の高性能化への要求が高まっている。高性能な信号復元の実現には、対象となる物理データを効果的に表現できる生成モデルが必要である。ただし、既存の生成モデルにはドメイン知識を反映し難い課題が残されている。そこで本研究では、フィルタバンク理論を適用し、最適化理論の研究成果と組み合わせた新たな構造化畳み込みネットワークモデルの創出を試みている。提案法により、物理的に解釈が容易な構造設定を可能とし、設計や実装を効率化することを目指している。 多様な実データに対して、ドメイン知識を反映する畳み込みネットワークを実現し、提案手法の有効性と汎用性の実証を試みている。2019年度は信号生成モデルとして畳み込み辞書の可能性を探求してきた。物理的解釈が容易な構造制約を畳み込み辞書に導入し、さまざまな最適化アルゴリズムや動的システムモデリング手法と融合させて、構造化畳み込みネットワークの応用を展開した。生体断層画像、車載ミリ波レーダ画像、河川観測データなど多様な実データに適用し、その有効性と汎用性について評価し、課題を整理した。以下に2019年度の主な成果をまとめる。 (i) 主双対近接分離(PDS)法の内部処理の一部に関する分析合成処理として視点を用い,大容量断層画像復元の省メモリ逐次実装及び並列実装を可能とした。(ii) 縦続接続構造のフィルタバンクと非線形活性化関数を組み合わせた非線形畳み込み辞書を提案しその有効性を確認した。(iii) 提案する畳み込みスパース符号化動的モード分解(CSC-DMD)を河床状態推定に適用しその有効性を確認した。(iv) 複素画像データの効率的なソフト閾値処理や等方性全変動処理の効率的な組込み実装を可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、高次元信号の生成モデルに有効な構造制約を明らかにするため、新たな構造化辞書や構造化畳み込みネットワークを構築し、複素拡張、並列化、階層化、多層化、学習設計および復元アルゴリズムの効率化に取り組んでいる。ボリュームデータ、複素画像データ、高次元時系列データなど多様な実データを対象として、提案する復元処理の有効性を評価している。迅速な評価検証を実施するため、データ・センター向けフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)アクセラレータを採用し、設計、復元処理の高速化に取り組んでいる。また、様々な条件下での実験を繰り返せるよう、提案モデルの有効性と汎用性の実証環境の強化を進めている。 2019 年度は主にボリュームデータや複素データ、高次元時系列データなど多様な対象に対する復元処理への畳み込み辞書の適用とその評価、および課題の整理を行った。当初の計画では、先行研究として提案した非分離冗長重複変換(NSOLT)の各種応用における課題の整理に加え、より有効な構造やより効率的な設計を進める予定であった。各種応用におけるNSOLTや他の畳み込み辞書の評価が進み、畳み込み辞書の構造上の評価検討を進めることができた。また、復元処理の問題設定へのグループスパース性の導入や畳み込み辞書の非線形拡張なども試みた。高性能な計算機やFPGAアクセラレータ、開発ソフトウエアなど研究に必要な機材について準備が整い、初年度として概ね順調に進んだ。一方、例えば対称性やタイト性、非分離性など畳み込み辞書が有する性質について各種応用での評価やFPGA実装については未だ検討の余地が残されている。 広く研究成果を公表し、関係する分野の人脈の構築と最新情報を収集するために国内学会、国際会議へ積極的に参加した。また、関連技術の特許出願を1件行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、引き続き対称性やタイト性、非分離性など畳み込み辞書が有する性質について各種応用での評価を進める。また、FPGA実装についても復元処理システムとして構成する。加えて、既存のNSOLTの枠組みを一般化するために,対称性やタイト性など構造制約を取捨選択できる枠組みを構築する。また、学習設計の加速を試みる。確率的分散縮小勾配法(SVRG) はその加速法など新たな手法を適用する。多重スケール表現を実現するために辞書の階層化を行う。ツリー構成と係数間の関連付け(グループスパース性)を洗練化して復元処理に取り入れる。さらに,NSOLT とPDS による復元処理の多層化に取り組む。合成辞書を導入したPDS の繰り返し処理の展開を基に、構造制約を課したフィードフォワード型畳み込みネットワークを創出する。応用展開における試みとして、複素NSOLT の辞書学習とミリ波レーダ画像再構成処理の組込み実装を行う。また,構造化畳み込みネットワークとDMD による河川状態推定の高性能化、効率化に取り組む。広く研究成果を公表し、関係する分野の人脈の構築と最新情報を収集するために国内学会、国際会議へ積極的に参加するとともに、研究成果の英文ジャーナル論文投稿および掲載を目指す。
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Research Products
(17 results)