2021 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of mountain topography on aerosol transportation
Project/Area Number |
19H04242
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
佐野 到 近畿大学, 理工学部, 教授 (10247950)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 苑生 京都情報大学院大学, その他の研究科, 教授 (00097411)
中田 真木子 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (80525791)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | AERONET / DRAGON / SCALE / SCALE-Chem / J-ALPS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「エアロゾル輸送における山岳地形効果の解明」実施のため下記のプロジェクトを実施中である.特に2021年度の内容に関して報告を行う. ■日米共同観測「DRAGON J-ALPS」に基づく計測実験(2021年度):米国NASAとの打合せで2021年3~5月の春季において再実験を行った.2020年度内に機器のメンテナンス,再設置,必要な機器の交換を済ませた.2021年度も引き続きコロナウイルスの影響を受けたが概ね機器が順調に稼働し,無事集中実験期間が終了できた.国立・国定公園内に設置した一部の機器は期限となる6月に撤去を行ったが,その他の大部分は10月~12月まで稼働を続けることができた.回収した機器は米国内にて2022年度6月頃には再校正が終了し,データが確定予定である. ■衛星計測:2021年度も引き続きGCOM-C衛星SGLIデータ,Himawari-8衛星AHIデータを用いて,特に黄砂イベントを中心に解析を行った. ■領域モデル:2020年度末に実施した集中観測の初期解析をSCALE-Chemによるモデルシミュレーションを用いて実施し米国AGUが発刊する国際オンライン論文誌(Natata et al., Effects of Mountains on Aerosols Determined by AERONET/DRAGON/J-ALPS Measurements and Regional Model Simulations, Earth and Space Science, doi:10.1029/2021EA001972)に掲載された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
■地上計測:申請時の計画では2019年3月~2020年5月においてのみ計測実験を行う予定であったが,コロナウイルスによる移動自粛などの影響が多大であったため,2020年度に引続き,2021年度において再実験を行った.その結果,2020年には発生しなかった大規模な黄砂現象時における当該地域のデータを取得できた.今後,領域モデルとの併用による解析を実施する予定である.また,大部分の機器は2021年末まで稼働したため,当該地域における月変化も解析を行うことが可能となった. ■衛星計測:ひまわり衛星による常時監視を行っており,エアロゾルイベント時(黄砂など)においてGCOM衛星SGLIデータを取得し,イベント時のより詳細な状況が把握できた. ■領域モデル:SCALE-Chemによる初期解析の結果を米国AGU学会のオンライン誌に掲載されている.今後は,エアロゾルイベント解析,四季別解析などにより,本研究課題である「エアロゾル輸送における山岳地形効果の解明」への解析を進めてゆく.
以上,「地上計測」によるデータ収集,「衛星計測」によるイベントデータの取得,「領域モデル」による再現実験や論文化も順調なことから,「おおむね順調に進展している」と判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度では,機器の再校正により確定計測データ(AERONET Level 2)が得られる.今回得られる確定データと共に,国内その他地域のAERONET計測データおよび衛星計測データなどを利用して,本研究課題の対象地域においてに基づく初期解析の見直しを実施する.特に,国外要因のエアロゾルイベント(黄砂,越境汚染)の確定と定常時の区別の明確化を行う.次に,いくつかのイベントをケース事例として選択し,地上および衛星計測データ,領域モデル実験結果による複合的な解析を行い,当研究課題「エアロゾル輸送における山岳地形効果の解明」を行う.また,その際,2021年度において連続稼働した松本市(信州大学理学部)のシーロメータデータも併用して活用する.
|
Research Products
(8 results)