2021 Fiscal Year Annual Research Report
Integrative understanding of marine nitrogen fixation based on global observations from tropics to polar regions.
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19H04263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩崎 拓平 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (90569849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 恒二 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80277871)
遠藤 寿 京都大学, 化学研究所, 助教 (80795055)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 窒素固定 / 北極海 / メタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は北極域において得られたメタゲノムデータから微生物ゲノムの再構築を行い(metagenome-assembled genomes、以下MAG)、そこから得られた窒素固定生物MAGと熱帯・亜熱帯海域から得られた窒素固定生物ゲノムを比較して、各海域の窒素固定生物の特徴を明らかにする試みを行った。 北極海で得られた111サンプルから6818のMAGを得ることができた。そのうちnifHが検出されたのは9つのMAGであった。窒素固定を行うためにはnifHの他にnifDK, nifEBNが必要であるが、nifHを持つMAGのうち2つはこの一部もしくはすべてを持たなかった。本研究で得られたMAGのうち窒素固定能を持つものはCyanobacteria, Alphaproteobacteria, Gammaproteobacteria, Campylobacterota, Bacteroidotaに属していた。Bacteroidota門で海洋の水柱内から窒素固定生物が発見されたのは今回が初めてである。CyanobacteriaのMAGはUCYN-A(Candidatus ‘Atelocyanobacterium thalassa’)であることがわかった。これらのMAGの存在量を全球データベースから調べた結果、極域(特に北極海)に特異的であることが示された。それぞれのMAGと熱帯・亜熱帯海域で得られた窒素固定生物ゲノムの生理・代謝機能の有無から階層的クラスター分析を実施した結果、北極海のMAGは熱帯・亜熱帯海域の窒素固定生物と大きな違いがないことが示された。ただ、より詳細に比較すると、例えば北極海のUCYN-Aは熱帯・亜熱帯海域のUCYN-Aと比べていくつかの遺伝子を特異的に持つことがわかった。今後はさらに解析を進め、北極海特異的な窒素固定生物が存在する要因を明らかにする。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)