2019 Fiscal Year Annual Research Report
Network Analysis on Elite Circulation in Southeast Asia
Project/Area Number |
19H04349
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
HAU Caroline・Sy 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70314268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相沢 伸広 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10432080)
白石 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授 (40092241)
鈴木 絢女 同志社大学, 法学部, 教授 (60610227)
鬼丸 武士 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (80402824)
高木 佑輔 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (80741462)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | エリート周流 / ネットワーク / 比較研究 / 東南アジア / 政治経済システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1997年から98年の東アジア経済危機以降の東南アジア地域、特にフィリピン、インドネシア、マレーシア、タイの政治経済システムの変容を、マクロ経済政策、安全保障政策、インフラ整備等の国家プロジェクトに関わるエリート・ネットワークの生成と変容の観点から分析することを目的とする。従来、東南アジア地域のエリートについては、カシーケ民主主義論やオリガーキー論、新家産制論、クロニー資本主義論、ボス支配論など、各国のエリートを構造的かつ静的に捉える研究が主流であったが、本研究ではネットワークの観点を導入することにより、組織や国の枠組みを超えたエリート周流・連携を極めてダイナミックなプロセスとして捉え、従来の研究では十分解明されてこなかった新しいエリートの姿と、東南アジア地域の政治経済システムの変容を明らかにする。 この研究目的を達成するために、本研究は(1)先行研究のサーベイ、(2)各国での現地調査、(3)収集した資料やデータの整理・分析、(4)研究会での成果の報告・検討、(5)研究成果の公開・発信、の5つのプロセスで遂行される。 令和元年度の研究活動についてであるが、まず先行研究のサーベイは各研究参加者が研究内容に関連する文献の調査・収集・分析をおこなった。研究会は令和元年6月に開催した。この研究会ではまず、研究参加者の問題意識の共有と今後の研究方針の検討をおこなっった。その後、インドネシアのエリート・ネットワークについてWahyu Prasetyawan氏に報告いただき、参加者全員で内容について討論をおこなった。また令和2年1月には、東南アジアのエリート周流とネットワークに関する国際研究集会を開催し、フィリピン、マレーシア、タイから招へいした若手研究者に報告をしてもらい、参加者全員で議論した。海外調査についてはアメリカの国立公文書館で文献資料調査を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は先行研究のサーベイと研究会の開催、国際共同研究をおこなうためのネットワーク形成を中心に研究活動をおこなった。研究会については1度しか開催していないが、各研究参加者が文献サーベイを中心に研究を進めていることはメールなどのやり取りを通じて把握している。また令和2年1月に東南アジア地域から若手研究者を招聘して国際研究集会を開催し、国際共同研究を実施するための下地作りをおこなった。以上から本研究はおおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在の新型コロナ・ウィルスの流行状況に鑑み、文献資料の調査と収集、収集した資料などの分析を中心に研究を実施する。研究会についてもオンラインベースでの開催を予定している。新型コロナ・ウィルスをめぐる状況が変化した場合、海外での現地調査や国内での対面の研究会を実施する。
|
Research Products
(8 results)