2019 Fiscal Year Annual Research Report
バナナ栽培農民の戦略の地域史と食料主権に関する比較研究
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19H04361
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
小松 かおり 北海学園大学, 人文学部, 教授 (30334949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 靖明 大阪産業大学, デザイン工学部, 准教授 (30533616)
田中 啓介 東京農業大学, その他部局等, 助教 (60747294)
北西 功一 山口大学, 国際総合科学部, 教授 (80304468)
小谷 真吾 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (90375600)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バナナ / 地域史 / 食料主権 |
Outline of Annual Research Achievements |
-6月、11月、3月の3回、東京で研究会を開催し、調査情報と研究結果を共有した。おもに、パラオ調査、八丈島調査、台湾調査などの調査の結果の共有と、DNA解析のためのサンプルの収集と分析方法の共有をおこなった。 -小谷がパラオで次年度調査のための予備調査を実施した。パラオにおいて、Palau Community CollegeとBelau National Museumの研究者と調査協力について話し合い、後の調査のためのMOU、MTAの作成を進めた。旧首都コロール周辺で、畑とマーケットを訪問、バナナの12品種を確認した。また、帰国後、ZOOMで、チームのメンバーとカウンターパートのDr.Kitalongとで会議を実施した。太平洋諸島のバナナ栽培文化の研究におけるパラオでの調査の意義を確認した。 -小谷、田中、小松が、台湾で調査を実施した。台湾では、国立清華大学の張イ琦博士に案内いただき、台湾香蕉研究所を訪問して、台湾のバナナ栽培史とバナナの品種改良の現状について勉強するとともに、今後の調査協力について話し合った。バナナ栽培農家を訪問して、現在の台湾のバナナ栽培事情について調査をおこなった。小規模農家の食料主権という本課題にとって、台湾の調査が非常に重要なものであることを確認した。 -小谷が八丈島で、小松と佐藤が沖縄本島で、小松が熱川バナナワニ園でDNA解析のサンプルを採集し、田中が解析を実施した。あわせて、染色体分析を会社に依頼し、ゲノムタイプの分析に役立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
-調査地各地のバナナ栽培史の復元という目的のために、DNA解析を試行中である。食用バナナがもつ倍数体同定の困難さを補うために、染色体分析を併用するなど、今後の解析方法について方法論の検討中である。 -農民の生存戦略の比較と、食料主権のための選択権の確保に関する議論のために、現地調査を進めている。これまで、パラオと台湾で予備調査を実施、すでに調査を遂行中であるカメルーン、ガーナ、ウガンダ、パプアニューギニアの今後の調査と合わせて議論を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
-調査地各地のバナナ栽培史の復元のために、各調査地からDNAサンプルを持ち帰り、解析を進める。また、国内でのバナナ栽培史の復元のため、沖縄を初めとする各地のバナナのDNA解析も進める。 -農民の生存戦略の比較と、食料主権のための選択権の確保に関する議論のために、カメルーン、ガーナ、ウガンダ、パプアニューギニア、パラオ、台湾で追加の調査をおこなうとともに、比較データを分析し、論文の執筆を進める。
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Research Products
(5 results)