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2021 Fiscal Year Annual Research Report

性販売女性の支援活動に関する日韓比較同時代史研究

Research Project

Project/Area Number 19H04389
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

小野沢 あかね  立教大学, 文学部, 教授 (00276700)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉見 義明  中央大学, 企業研究所, 客員研究員 (40102884)
金 富子  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40558102)
中里見 博  大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (10283384)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords性売買 / 性売買防止法 / 売春防止法 / 性売買問題解決のための全国連帯 / 性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ / 性搾取 / 買春 / 女性支援新法
Outline of Annual Research Achievements

①性売買に関する考え方と基礎的知識、日本と韓国における性販売女性の支援活動に関する情報発信を目的に、小野沢あかね、金富子、中里見博、吉見義明を中心に、ウェブサイトの制作を続行した。
②金富子・小野沢あかねを中心に、韓国の研究者・活動家とのオンライン研究会を3回行なった。7/24には大邱女性人権センターのシンパク・ジニョン氏を講師に招き、大邱の性売買集結地「チャガルマダン」が、市の再開発に伴って閉鎖された際、市民と協力して市に条例を作らせ、市からの財政支援の下、そこで働いていた女性たちの脱性売買・生活支援を行って来た経緯についてお話をうかがった。10/23には韓国の全国連帯と、日本で脱性売買支援を行なうColaboを中心とした研究交流会を開催した。さらに12/7には再びシンパク・ジニョン氏を講師に招くとともに、日韓の性売買経験当事者活動家同士が、互いの活動とその課題を話しあう研究会を開催した。
③『チャガルマダン閉鎖白書』という分厚い資料が作成されているので、これの主要部分を中心に翻訳した。④シンパク・ジニョン著『性売買ー常識のブラックホール』の出版社を決め、日本語訳について金富子が監訳作業を、小野沢あかねが解説執筆を行い、仁藤夢乃氏にも解説執筆を依頼し、出版に向けた準備を行なった。⑤性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ著『無限発話』の翻訳を依頼しほぼ終わった。⑥小野沢あかねは『沖縄・Aサインバーホステスの経験』の執筆を進めた。
⑦コロナ感染拡大のため、2021年度に実施予定だった海外調査を2022年度に繰越し、行き先もヨーロッパから韓国(ソウル)へ変更し、2022年8月末~9月初頭に実施した。ソウルの性売買集結地ミアリの踏査、ポダ(女性人権センター)、性売買経験当事者ネットワーク・ムンチの調査を行ない、日韓交流研究会を行なった(小野沢あかね、金富子、中里見博)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コロナ感染拡大によって、一部研究計画を変更せざるをえない部分があったが、今年度の「研究実施計画」に照らし、概ね順調に進展していると考える。
①当初の計画では性売買に関する情報発信を目的に、小野沢あかね、金富子、中里見博、吉見義明を中心にウェブサイトの制作を行なうことを計画していた。完成にこそ至らなかったが、制作は着実にすすんだ。②当初の計画で、金富子を中心に韓国の研究者・活動家とのオンライン研究会を行なうとしていた通りに、韓国側と3回ものオンライン研究会を実現することができた。③計画で、脱性売買支援活動を行なっている団体、ぱっぷすやコラボとの研究会を開催するとしていた通り、Colaboとはともに韓国との研究会を行ない、8月末からの訪韓にも同行した。このことによって、日本における脱性売買支援の課題を学ぶことができた。
④計画では小野沢あかねが『沖縄・Aサインバーホステスの経験』の出版を目指すとしてあり、出版には至らなかったものの、執筆は進捗した。⑤計画では、コロナ感染状況が解決したならば、当初の計画通り研究代表者・分担者・協力者で、北欧モデルのスウェーデン・性売買合法化国のドイツという対照的な2国に赴き、性売買政策と性売買の実態、性売買売女性支援調査の実行を目指していた。しかし、コロナ感染拡大のために実現はかなわず、2022年度に行き先を韓国へ変えて海外調査を実施することができた。訪欧はできなかったが、韓国を通じてヨーロッパ情報をかなり入手することができた。この科研終了後に新たな科研にアプライし、訪欧してそこでの調査結果を日本に紹介したいと考えている。⑥当初の計画以上に、金富子を中心に性売買に関する韓国の著作の日本語訳を実現した。具体的には『性売買ー常識のブラックホール』の出版準備をすすめ、『無限発話』『チャガルマダン閉鎖白書』の日本語訳を実施した。

Strategy for Future Research Activity

①シンパク・ジニョン氏の著作の日本語版を、金富子監訳、小野沢あかね・仁藤夢乃解説『性売買のブラックホール--韓国の現場から当事者女性とともに打ち破る』として、ころからという出版社から出版することを計画している。②その上で、小野沢あかねと金富子を中心に、本書の内容と日韓の性売買問題についてのオンラインシンポジウムを2度開催したい。1度目は、本書の著者のシンパク氏に講演していただき、韓国の性売買の状況、性売買経験当事者の状況等についてお話しいただこうと考えている。2度目は、売春防止法の一部を改正して、制定されようとしている「女性支援新法」について、戒能民江氏にお話しいただくとともに、韓国の性売買防止法について金富子氏に、日本の性売買の現場についてColaboの仁藤夢乃氏にお話いただくシンポジウムを行なうことを計画している。
③ウェブサイト「買春/性搾取のない社会を目指して」の作成を進め、少なくともドメインを取得し、できれば完成させて公開したいと考えている。④翻訳を進めてきた韓国の性売買経験当事者ネットワーク・ムンチの本の日本語版『無限発話 買われた私たちが語る性売買の現場』の出版準備をすすめる。監修作業や解説の執筆をすすめ、出版社を決めたいと考えている。⑤買春を禁じた北欧モデルについては、近年フランスも導入した。訪欧はかなわないが、韓国との交流を通じて、スウェーデンの現状や、フランスで北欧モデルを導入した経緯等について知識を得、訪欧する際の準備に努めたい。

  • Research Products

    (11 results)

All 2022 2021 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (6 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 3 results) Book (1 results)

  • [Int'l Joint Research] 性売買問題解決のための全国連帯/性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ(韓国)

    • Country Name
      KOREA (REP. OF KOREA)
    • Counterpart Institution
      性売買問題解決のための全国連帯/性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ
  • [Journal Article] "Problem of J.Mark Ramseyer's "Contracting for Sex in the Pacific War" : On Japan's Licensed Prostitution Contract System"2022

    • Author(s)
      Onozawa Akane
    • Journal Title

      The Asia-Pacific Journal : Japan Focous

      Volume: 20 Pages: -

    • Open Access
  • [Journal Article] 中国における日本軍慰安所の所在について――『支那在留邦人人名録』各年版の検討を中心に2022

    • Author(s)
      吉見義明
    • Journal Title

      中央大学論集

      Volume: 43 Pages: 65-83

  • [Journal Article] 民主化後韓国の版性売買女性人権運動――ポストコロニアル・フェミニズムの視点から2022

    • Author(s)
      金富子
    • Journal Title

      クァドランテ

      Volume: 24 Pages: 125-127

  • [Journal Article] 日本軍「慰安婦」問題から何を学ぶか――買春批判の性教育へ2021

    • Author(s)
      小野沢あかね
    • Journal Title

      季刊セクシュアリティ

      Volume: 102 Pages: 86-93

  • [Journal Article] ラムザイヤー論文の何が問題か――日本軍「慰安婦」問題をめぐる“契約論”を検証する2021

    • Author(s)
      吉見義明
    • Journal Title

      世界

      Volume: 944 Pages: 126-135

  • [Journal Article] 「公娼」論・「植民地公娼」論を検証する2021

    • Author(s)
      金富子
    • Journal Title

      部落解放

      Volume: 810 Pages: 31-39

  • [Presentation] 日本公娼制/植民地公娼制/日本軍「慰安婦」制度の異同を再考する2021

    • Author(s)
      金富子
    • Organizer
      韓国・日本軍「慰安婦」研究会総会
    • Invited
  • [Presentation] ラムザイヤ―「公娼」論・「植民地公娼」論を検証する2021

    • Author(s)
      金富子
    • Organizer
      東日本部落解放研究所2021年度第1回定例研究会
    • Invited
  • [Presentation] 日本の歴史修正主義とサバイバー証言の否定2021

    • Author(s)
      金富子
    • Organizer
      韓国・金学順公開証言30周年記念国際学術大会
    • Invited
  • [Book] 朝鮮料理店・産業「慰安所」と朝鮮の女性たち2021

    • Author(s)
      高麗博物館・朝鮮女性史研究会編著、金富子ほか
    • Total Pages
      351
    • Publisher
      社会評論社
    • ISBN
      978-4-7845-1153-2

URL: 

Published: 2023-12-25  

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