2019 Fiscal Year Annual Research Report
Distribution of ideals over number fields and Diophantine equations
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19J10705
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武田 渉 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | Diophantus方程式 / Brocard-Ramanujan問題 / 素イデアル分布 / Bertrand-Chebyshv型評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度, 取り組んだ研究はBrocard-Ramanujan問題を2変数斉次多項式に一般化し, 整数解の数について考えるというものである. Brocard-Ramanujan問題は140年以上解かれていない難問であるが, 左辺の多項式を他のものにすると解についていろいろと分かることがある. 本研究では左辺の多項式が2変数既約多項式という条件を課すと解の有限性が直ちに導くことができるということを発見した. その後, Dabrowski氏との議論をきっかけにBrocard-Ramanujan問題の他の一般化に対しても同様に解の有限性を示すことができることも成功した. また, 可約の場合も特別な条件を課すことで有限性を導くことができたが, これは大元のBrocard-Ramanujan問題を解決することはなかった. しかし,解の上限を証明の方法から与えることができるなど, 解析的側面からは大きな進展があったと言える. 次に取り組んだ研究は素イデアル分布の精密化による解の上限の改良である. 先ほど述べたように私の研究により解の上限が明示的に表されたため, それを改良するために証明に用いたFrobenius写像に付随する素イデアルに関するBertrand-Chebyshv型の評価を改良することを目指した. 以前, 完全分解する素数に関する同様の評価から他のDiophantine方程式の解の上限を明示的に与えたため, それを一般化するという方針で研究を進めた. その結果, 類似の先行研究を使うよりも良い, 解の存在しない範囲を与えることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時は今年度の目標として, より限定的な場合の定式化を挙げていたが, 実際にはより一般に2変数斉次多項式に証明を与えることに成功した. 先述の通り, 最終的にはBrocard-Ramanujan問題の他の一般化に対しても同様に解の有限性を示すことができることも成功したため, Diophantus方程式に関しては期待以上の成果を得ている. その一方, 素イデアル分布に関しては応用が限定的なものであり, Brocard-Ramanujan問題に限定すると多項式が可約などの条件を含めると適用が難しい. より大きな範囲において研究を進めるためにも, より細かい条件を扱ったイデアル分布を与えることは今後の課題である. 以上より, 研究全体としてはおおむね順調といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は主にBrocard-Ramanujan問題の多項式の変数を増やした問題について考察をする. 実は3変数以上にすると反例がすぐに出るため, 一般には示すことは不可能であることがわかる. その一方, 代数体のノルムからくるノルムフォームでは, これまでの証明方法を踏襲することにより有限性を示すことができると期待できるため, それを来年度の最初に行う予定である. それと並行し, ほかの方程式の解についてもイデアル分布を応用することで考察を行う.現在のところ, Erdos最終方程式と呼ばれる問題について注目をしているが, 他にも代数多様体の有理点や整数点の数え上げなど様々なDiophantus問題についても研究を進める予定である.
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Research Products
(16 results)