2019 Fiscal Year Annual Research Report
Impacts of electricity on female labor market outcomes and household income growth in Cambodia
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19J11755
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| Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
武田 朝美 政策研究大学院大学, 政策研究科, 特別研究員(DC2)
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| Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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| Keywords | カンボジア / 電化 / インフォーマル雇用 / 児童労働 / 家計所得 / ジェンダー |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、途上国における雇用の大部分を占めるインフォーマル経済(政府の監督や国家の登録外で行う非公式経済活動)のフォーマル化を促す要因を解明することで、途上国の持続的な経済開発と貧困削減のプロセスを解明し、国連の持続的開発目標(SDGs) が掲げる質の高い雇用の促進、及びジェンダー平等に貢献することを大きな目的とする。具体的には、電化(政府が提供する公的な電気にアクセス可能となること)に着目し、電化が女性労働者のフォーマル雇用への移行、及び家計の厚生(家計所得、児童労働、及び子供の教育)に与える影響について実証的に分析する。これを更に下位分類すると以下3 点となる。 (1) 電化が家計所得に与える影響 (2) 電化が生産年齢人口(15 歳~64 歳)の雇用(フォーマル雇用(賃金労働))、及びインフォーマル雇用(自営業、無償家族労働))に与える影響 (3) 電化が子供(7 歳~14 歳)の教育に与える影響 当該年度は、先行文献のレビュー、分析に必要なデータの購入(Population census data 2008, Cambodia Socio-Economic Survey data 2007, Economic Census data 2011 & 2014)、上記(1)~(3)の記述統計分析、及び操作変数法を用いた推計を行なった。研究結果は、学内における中間報告として、(1)(2)の研究成果を2019年12月に発表し、(3)の研究成果を2020年3月に発表した。学内で受領したコメントを反映した上で、博士論文の第1章(上記(1)と(2))と第2章(上記(3))の論文執筆を行い、内、第1章のドラフトを学内に提出済みである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述した通り、当該年度は、先行文献のレビュー、分析に必要なデータの購入、記述統計分析、及び操作変数法を用いた推計を行い、研究成果を2回に渡って学内で報告した。また、本研究課題の進捗において、大きな鍵を握ったのが、電化に適切な操作変数の選定である。操作変数の選定に当たっては、フィールド調査を通じ、現地の事情に精通した開発援助機関の担当者、及び現地コンサルタントとの議論を重ね、①村ごとの人口密度、②各村と最寄りの変電所の距離、の2つを操作変数として用いることとした。 ①については、カンボジア統計局が過去に収集したPopulation Census Dataから村レベルの人口密度を計算した。 ②に関しては、電化の操作変数として適切な変数の利用可能性について、カンボジアの電力供給事業の監督・調整を行なうカンボジア電力公社(EAC)の担当者と協議したが、村レベルの統計上のデータは存在しないことが判明した。代わりに独自に情報収集を行い、Open Development Cambodiaがウェブ上で公表している、変電所の位置情報を入手し、統計局のPopulation Census Dataが提供する、村の位置情報と接続した。使用したソフトウェアは、Arc GIS Proと呼ばれる地理情報システムであり、GISを用いて、②を独自に計算することに成功した。本研究課題の実施に当たっては、適切な操作変数の選定は重要な課題であり、当該年度においてこれをクリア出来たことは、今後の研究の進捗にとって、大きな進展である。また、地理情報システムを用い、比較的外生的に決まるとされる地理的な変数を操作変数として利用するのは、カンボジアの貧困削減の文脈では初めての試みであり、学術的意義は大きい。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、当該年度に購入した、労働需要側である企業調査データ(Economic Census data 2011& 2014)を利用し、電化された村と電化されていない村における企業の属性(企業数、業種、労働者数、売上げ等)の比較分析を行う。また、新たに購入した最新の家計調査データ(2017年)を用い、家計所得や電化率、雇用に関連する追加の記述統計分析を行う。研究成果は、2021年1月に開催予定の国際学会で発表を予定している。博士論文は、秋頃の完成を目指している。博士論文の完成後は、国際ジャーナル誌への投稿を目指す。
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