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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Research on Japanese Typefaces and a Typeface Customisation System Designed for Readers with Dyslexia

Research Project

Project/Area Number 19J11843
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

ZHU XINRU  東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2019-04-25 – 2021-03-31
Keywords書体 / 発達性ディスレクシア / 学習支援 / 機械学習
Outline of Annual Research Achievements

本年度は主に以下の研究を進めた。
(1) 書体の特徴に関する探索的研究:本研究では、これまでにヒューリスティックな指標を用いて既存の欧文ディスレクシア書体の特徴を抽出し、その結果を和文書体に適用することでディスレクシアに特化した初の和文書体の作成を行った。作成した和文書体に対して評価実験を行ったところ、ディスレクシアを持つ読者にとっては新しい和文書体がより読みやすいことが示された。したがって、ヒューリスティックに抽出された書体の特徴は一定の妥当性を持っていると言える。しかしながら、これまでに明らかにしてきたディスレクシア書体の特徴はあくまでも経験的なものであり、ディスレクシア書体の特徴の集合全体を表しているとは考えにくい。そこで、これまでの枠組みにおいて明らかになっていない特徴が存在するか否か、存在するとしたらそれはどのようなものか、という課題のもと、機械学習を用いた書体特徴の探索を行った。その第一歩として行った実験では、既存の枠組みでは見落とされている特徴が存在する可能性が示唆された。
(2) ディスレクシアに特化した和文書体カスタマイズシステムの設計と実装:これまでの研究で有用性が示されたディスレクシア和文書体の特徴に基づいて、パラメータによって書体を調整できる和文書体カスタマイズシステムの設計と開発を行った。本システムはブラウザ上で動作するウェブアプリケーションであり、予め用意された文字の骨格データに対して、書体の特徴を表す数種類のパラメータを付与することで利用者が自身の状況に適した書体を生成できるというものである。本年度は特に文字の輪郭を自動生成するアルゴリズムを改良し、各種パラメータがディスレクシア書体の特徴をより良く反映するようにした。
以上の研究成果について、国内外の学会で発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、これまでの研究結果に基づいて和文書体カスタマイズシステムの設計と実装を進めた。
システムの設計に際しては、1967年から2019年までに発表された既存のパラメータ調整による書体デザインシステムと関連研究のレビューを行い、ディスレクシア書体の特徴を適切に反映できる輪郭生成アルゴリズムを選定した。実装に際しては、これまでの研究で作成した書体生成スクリプト等を活用するために主にPythonによるシステム構築を行った。
また、システムには当初1種類の骨格データを用意する予定であったが、本年度行ったディスレクシア書体の特徴に関する探索的研究の結果、書体の骨格の形状がこれまで考慮されていなかった書体特徴の一つであることが示されたため、もう1種類の骨格データを組み込むことを決定した。そのため、フォントベンダーに研究利用の許可を得た書体の輪郭から骨格データを生成した。これに伴い、文字の輪郭から骨格を生成するためのツール作成を含むワークフロー構築を行った。これらのツールは、研究成果発表後に公開する予定である。
本年度の課題となったのは、システムの実証実験である。年度内に1回目の対面による実証実験を行う予定であったが、COVID-19の影響を受けて実施が難しくなったため、オンラインでの実証実験を設計し、来年度実施することを計画している。

Strategy for Future Research Activity

研究計画に沿って、ディスレクシアに特化した和文書体カスタマイズシステムの開発と評価実験を進める。
上述したように、対面実験を行うことが難しい状況であるため、オンラインで行える実証実験の設計を進めている。これに際し、和文書体カスタマイズシステム本来の機能に加えて評価実験用のモジュールの実装を行う予定である。
評価実験では、和文書体カスタマイズシステムのユーザビリティ評価とシステムによって作成された書体の読みやすさの評価を行う。これらの結果に基づいて書体の読みやすさの客観的指標と主観的指標の関係及びディスレクシアの様々な症状と読みやすい書体の特徴の関係を分析することで、書体研究とディスレクシア研究に大きく寄与することが期待される。
和文書体カスタマイズシステムの基本機能はすでに実装が完了しているが、システムの可用性を考慮すると、処理速度と安定性の向上が必須となる。また、長期間の運用と保守を考えると、自動テストの精緻化などの課題があるため、本年度は書体カスタマイズシステムの改良を進め、年度内に一般公開することを目標とする。
以上の研究内容をオンライン国際会議で発表することを予定している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 教科書体付属欧文の読みやすさに関する実証研究2020

    • Author(s)
      朱心茹, 高田裕美, 影浦峡
    • Journal Title

      デザイン学研究

      Volume: 66 Pages: 51, 60

    • DOI

      https://doi.org/10.11247/jssdj.66.3_51

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 発達性ディスレクシアに特化した読みやすい和文書体の研究2019

    • Author(s)
      朱心茹
    • Journal Title

      DNP文化振興財団学術研究助成紀要

      Volume: 2 Pages: 82, 97

  • [Presentation] 書体カスタマイズシステムに関するレビュー:発達性ディスレクシアに特化した和文書体カスタマイズシステムの開発へ向けて2020

    • Author(s)
      朱心茹, 影浦峡
    • Organizer
      情報処理学会全国大会
  • [Presentation] Research on Japanese Typefaces and Typeface Customisation System Designed for Readers with Developmental Dyslexia2019

    • Author(s)
      Xinru Zhu and Kyo Kageura
    • Organizer
      International Association of Societies of Design Research Conference
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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