2020 Fiscal Year Annual Research Report
レム睡眠制御を担う細胞内情報伝達分子機構の同定と解析
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19J13188
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 宏晃 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 睡眠覚醒現象 / リン酸酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に樹立したアデノ随伴ウイルス(AAV)による遺伝子過剰発現系の課題であった非生理的な空間的発現パターンを解決するために、内在性のプロモーター/エンハンサー領域を予測することを試みた。そのために、公開されているシングルセル解析(scATAC-seq)のデータと解析プラットホーム(Seurat)を用いてM1とM3の近傍におけるクロマチンアクセシビリティが高いゲノム領域をあぶり出すことに成功した。このゲノム領域はプロモーターまたはエンハンサー領域である可能性が高いため、その下流にM1/M3とその変異体を搭載したAAVを作製し表現型解析を行う予定である。 一方で、M1/M3シグナルと関連する可能性のあるリン酸化酵素を同定し、その睡眠覚表現型への影響も調べた。まず、汎細胞的に発現させるプロモーターを用いてリン酸化酵素を発現させると覚醒状態が安定化し、結果的に覚醒時間が延長することが判明した。さらに、リン酸化酵素自体のリン酸化状態が覚醒延長効果に影響する可能性を考えて、網羅的なリン酸化模倣変異体スクリーニングを実施した。そのために全75種類のセリン/スレオニン残基をグルタミン酸に置換(リン酸化模倣)した変異体を作製し、AAVによって過剰発現させた。その結果、これまでに報告されていない残基のリン酸化模倣によって覚醒時間が延長することを明らかにした。次に、リン酸化酵素の標的分子を同定するために、当該リン酸化酵素遺伝子のノックアウトマウスとリン酸化酵素の過剰発現マウスからサンプリングを行い、リン酸化プロテオミクス解析を行った。この解析は現在進行中であるが、いくつかの神経細胞の活性調節に関わる分子のリン酸化が変動していることが判明している。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)