2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19J13235
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小畠 玲子 広島大学, 医歯薬保健学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | チタン多孔体 / 骨再建材料 / 表面処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,骨再建材料として用いるチタン多孔体に表面処理を行い,より早期に確実な骨形成を達成する「生体活性チタン多孔体骨再建材料」の開発を行った, チタン多孔体の気孔構造内部まで均一に表面処理を行うため,化学的処理に着目し実験を行った.まず,チタン多孔体に酸処理およびアルカリ処理を施し,材料学的評価を行った.チタンは耐腐食性があるものの,酸処理では腐食の影響が大きく構造が一部破壊され,著しく強度が減少したことから,酸処理を施したチタン多孔体は骨再建材料としては不適であることが明らかとなった,一方,アルカリ処理を施すと,構造および強度をほとんど変化させることはなく,表面にナノメートルスケールの微細網目状構造を形成し,均一な表面処理を達成した. そこで,アルカリ処理を施したチタン多孔体の生体活性評価および骨形成促進効果の評価を行った.生体活性評価として,擬似体液を用いた検討を行った.擬似体液浸漬ののち表面構造を観察すると,未処理チタン多孔体と比較しアルカリ処理を施したチタン多孔体において,顕著に球形状のアパタイト様析出物を多く認めた.さらに,骨形成の評価としてラビット大腿骨への材料埋入試験を行ったところ,アルカリ処理を施したチタン多孔体において早期の骨再建の達成を確認することができた. 以上の結果より,チタン多孔体にアルカリ処理を施すことにより「生体活性チタン多孔体骨再建材料」の開発を達成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チタン多孔体にアルカリ処理を施すことで,生体活性性を付与することができ,より早期の骨形成を達成することが確認できた.以上より生体活性チタン多孔体の開発を達成しており,おおむね課題に沿って研究が進行していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,生体活性チタン多孔体により骨再建を行った部位へのインプラント適応の検討を予定している.チタン多孔体をラビット大腿骨に埋入し骨治癒を達成したのち,インプラント埋入の可否およびインプラント支持の検討を行う.チタン多孔体へのインプラント埋入窩の形成は高速切削が必要となる可能性があり,あらかじめインプラント埋入窩を形成した形状のチタン多孔体による骨再建を検討する必要がある.
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Research Products
(3 results)