2019 Fiscal Year Annual Research Report
可縮アフィン多様体及びそのコンパクト化に関する研究
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19J14397
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長岡 大 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | アフィンホモロジー胞体 / コンパクト化 / 同変コンパクト化 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は曲線上のdel Pezzoファイブレーションと両立するアフィンホモロジー3-胞体のコンパクト化の分類問題に取り組んだ. ここで「両立する」とは森ファイバー構造による像もまたアフィンホモロジー胞体であることを指し, 「両立するならば3次元アフィン空間と同型になる」と予想されている. この予想は, 森ファイバー空間が射影平面束である場合は正しく, また埋め込み先である射影平面束と無限遠因子の対の分類は容易である. 昨年度は, 二次曲面ファイブレーションの場合にも予想が正しいことを証明した. そこで当該年度は, 埋め込まれた3次元アフィン空間を保つdel Pezzoファイブレーション間のSarkisov linkを構成することで, 二次曲面ファイブレーションの場合に埋め込み先と無限遠因子の対を分類した. また, その応用として, 3次元ベクトル群の同変コンパクト化の分類問題について取り組んだ. ベクトル群とはアフィン空間に加法群の構造を入れた代数群であり, その同変コンパクト化とは, 稠密開軌道と作用元が同型になるベクトル群の作用を指す. Hassett-TschinkelやHuang-Monteroにより, 3次元ベクトル群の同変コンパクト化の構造を持つFano多様体は分類されたが, Fanoとは限らない場合の分類は未完成であった. そこで当該年度は, 同変コンパクト化の構造を持つ曲線上のdel Pezzoファイブレーションの分類問題について取り組んだ. 稠密開軌道としてのベクトル群がdel Pezzoファイブレーションと自然に両立する事に着目し, 前述の3次元アフィン空間を保つSarkisov linkの群同変版を用いることで, 3次元ベクトル群の同変コンパクト化の構造を持つdel Pezzoファイブレーションおよびその無限遠因子を分類した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的であったPicard数2の森ファイバー空間へのコンパクト化の分類に対して, 適切な条件下では, 埋め込まれたアフィンホモロジー胞体を保つSarkisov linkが有用であることが分かった. また, 同条件下での研究を, 同変コンパクト化の分類に応用できることが分かった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, del Pezzoファイブレーションへのコンパクト化で得られた知見を生かして, 他の森ファイバー空間であるconic束や他の端射線収縮射である双有理射と, コンパクト化という構造の関係の解析を目指す.
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